画手紙
姉夫婦みたいに仲良くなんて求めてない。一生養ってくれれば、それで良かった。俺なりに対価だって考えてあげたのに。
でも断ったのはあなた自身なんだから、もう誰にも渡さない。それが
「シクシク、なんともったいない。そんな大きな原石、磨けばさぞ素晴らしい宝玉になったでしょうに」
墨を磨る
あのあと数回
「
俺は絵の具や水を混ぜて必要な色を用意すると、上辺に薄墨で雨雲を表すもやを、その下から縦に散らばる無数の破線の雨粒を、指でサッサッと描いた。
絵の具が十分乾いたのを確かめると、
と書いた。
翌る日の朝、報せの鳥が数羽、脚に布地を括り付けられてから、空へ羽ばたいた。向かう先はサルヌリ朝の
あの鳥たちが、一羽もサルヌリ朝へたどり着かなければ……。
離れているまま、これ以上距離が縮まる事は無いのに。
それでも俺のまったく知らないところで、いつの間にか仲が進むよりましだもの。
ひどい人。泣く泣く手助けしている俺のこの、甲斐甲斐しさに気づいてよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます