よろづの肖え物
――ええやんええやん。一つ位、頼まれてくれたって。
「……図に乗るな」
えっ何で。
「私も働かせて下さい。
「人手は足りている。ふっ、そこまで言うならしょうがない。一人戯びでもして、房事を鍛えろ」
うっわ、顔を上げたと思ったら悪辣な笑みで最悪なご命令だ。ちくしょう余計なこと言わなきゃよかった。
「ではな
夕餉を先に食べ終わった
その次の日。朝っぱらから、どこかで声がする。あゝこりゃまだ夢の中だ。そうに違いない。
「あともうちょっとだけ……ううん」
「起きなされ
寝具ごと蹴り飛ばされてもんどり打った。なんつー乱暴な。寝ぼけ眼に映ったのは、
男か女かもよく分からない謎の人物だった。
「しつりと申す。以後お見知りおきを」
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