似非幸い
正直全然よく分からないが、聞いておいて損はないだろう、事の真偽はまた後で考えるとして。
「
「単刀直入に言うと、わたくし達二人の事は捨て置いてほしい。というだけの話です」
まさかこの二人、そういう仲なのか。
「……お言葉ですが
「呵呵、姐さまったら口下手過ぎ。ああもう可笑しいったら、おかげで勘ぐられてしまいましたよ。もういっそ、そういう筋書きにしませんこと」
「どうしてそうなるの
とんでもなくばつが悪い。でもこの発想、知らず知らずのうちに
「姐さまは頼りないから、あたくしが代わりに説明して差し上げます」
――
いずれにせよ、
あたくし達もかつてはそうでした。でもふと疑念を抱いたのです。
突如不相応に召し上げられた
確かに寵愛とは移ろいやすいものかも知れません。
ですが、こう考えてはいかがでしょう。
在所に身分は低いが、優秀な若人がおりました。ある日
別の里には、悪政を行う卑劣な輩がおりました。遠い親戚に
「長話にお付き合いいただきましたね。どうです
「まあ、説明していただく分にはありがたいです」
「今のが説明なものですか、単なる推測です。
「はい。お気遣い感謝いたします」
「そろそろ日が暮れる。わたくしは夕餉の支度があるから炊事場に戻らねば」
「姐さまはああ仰いますけれど、あたくしは別によくってよ。公認の浮気だなんて、考えただけでゾクゾクする」
「妬かせるなあ、こんなところで密談か」
一体いつからそこに。
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