10、ハロウィン
友達からハロウィンに誘われた。結構な田舎で、仮装? 嘘でしょ。
段々とハロウィンの日が近づいてきて、誘っておきながら集合場所とかの細かな予定が来ない。
えぇ~い、我慢できない。こっちから連絡入れる!
そう意気込んだとき、友達から連絡が入った。しかもVRをつけなきゃいけない。出掛けるんじゃないの?
勉強はがんばるし、他のゲームはいらないから、そうやって交渉してきてようやく買えたVR。
いつでも話せるようにってグループを作ったけど、それっきりで、高い買い物したのに一度しか使わなかったとか親に怒られる。そう内心緊張しながら過ごしてきた。
かなり久々につける。操作の手順とか……まぁ大丈夫そうだ。
『うっそ、初期設定から変わってなくない?!』
友達と繋がった途端、始めに言われることがそれって、悲しいし恥ずかしいんだけど。
『ま、いっか。ハロウィンだし仮装して、自分のキャラ作っちゃお?』
場の勢いに乗るだけ。友達のアバターを追いかける。
『絶対やってほしい、猫耳〜』
現実だと絶対やらないやつ。仮想現実だから、映像では残っても現実ではしてないから。
ひらひらした、お姫様みたいな格好だって。どんな姿だって、なれてしまう。
『どうせなら幼女になる?』
言われるがままに、設定を触り、きゅっとアバターが小さくなった。
『かぁわいい〜! 写真撮るよ』
時間はあっという間に過ぎていて、そう思ったら、疲労が押し寄せてくる。良い疲れかも? と考えたら、「楽しかった」そう声に出ていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます