第3話:7月29日(水)変な夢を見ました
今日もラジオ体操にかわずちゃんはいませんでした。
それと昨日、変な夢を見ました。
私は二階の自分のお部屋でかわずちゃんと遊んでいました。
すると、いきなり家の周りでたくさんのカエルが鳴き始めました。
そして、どこか遠くから何かイヤな感じが近づいてくるのが分かりました。
正体は分からないのですが、とてもイヤな感じでした。
窓から外を見ると、お空が真っ暗になっていました。
窓の向こうには一本道があって、そのずっと向こうに黒くて丸っこいものがありました。それがイヤな気配の正体だと、私は一目で分かりました。
じっと見つめていると、丸かった黒いものに角のようなのが生えてきて、細長くなっていきました。体育座りしていた人が起き上がっていくみたいな感じでした。
すごくこわいのに動けなくて泣きそうになっていると、鈴の音がして動けるようになりました。
かわずちゃんはお部屋からいなくなっていましたが、机の上に鈴がありました。
私が鈴をにぎると、カエルたちが合唱のようにいっせいに鳴きました。
こわくて目をつぶっていたら、いつの間にか朝でした。
私は汗をびっしょりかいていたので、お母さんからご飯の前にシャワーを浴びなさいと言われました。
お部屋から出る前に、カバンから鈴を外してポケットに入れました。
鈴が近くにあると何となく安心だから、これからはずっと持っていようと思います。
お父さんとお母さんがお仕事に行ってから、私は宿題の計画を立てました。
夏休みの宿題は、漢字ドリル、計算ドリル、英語ドリル、五教科復習ドリル、自由研究、日記、読書感想文、家庭科のお手伝いです。
今日は漢字ドリルと計算ドリルをやりました。一番楽しみな英語ドリルはまだとっておきます。
おばあちゃんちに行く前に、ぜんぶの宿題を終わらせることが目標です。
お昼はお姉ちゃんがソーメンをゆでてくれました。
ピアノを教えてくれる山岸先生が来たら、お姉ちゃんは遊びに行ってしまいました。
山岸先生は二十九才で、昔はパリっていうフランスの首都に留学していたそうです。
担任の百合子先生も二十九才だから、私の先生は二人とも同い年で、ぐう然だけど面白いです。
山岸先生は優しくて好きだけど、私はピアノがあまり得意ではありません。
絵理ちゃんが四年生の時にひいていた曲を、私は六年生で練習しています。
お休みの時間には山岸先生がなんでも曲をひいてくれるので、私はひいてほしい曲を手帳に書いておいて、山岸先生に見せました。
山岸先生は「むずかしい漢字、よく書けたね」とほめてくれて、LiSAさんの「紅蓮華」をひいてくれました。
私はそれにあわせてお歌を歌って楽しかったです。
ピアノが終わるとお母さんがお仕事から早く帰って来て、浴衣を取りに真水町にある下田ご服屋さんにいきました。
下田ご服屋さんの文乃ちゃんは私のお友達で、よく図書館で本のお話をします。
みんなは「四つ子ぐらし」とか「名探偵テスとミナ」を読んでいるけど、私たちはそれはもう前に読みました。
私たちの中では、今はミヒャエル・エンデがブームです。
分厚くて持ち帰るのが大変だけど、ページを開くと面白くてすぐに時間がたっちゃいます。
マンガでは「鬼滅の刃」がはやっています。
文乃ちゃんは手足が細くて「鬼滅の刃」のカナヲちゃんみたいでカワイイです。
私はよく「鬼滅の刃」のアオイににていると言われます。そんなにおこりっぽくないと思うんだけど。
明日はお祭りでおみこしを担ぎます。楽しみです。
おやすみなさい。
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