番外編6 須藤先輩の想い人
初めて、男の人がかっこよく見えた。
私にそう思わせたのは、九十九高校吹奏楽部の1つ上の佐久先輩だった。
小さい頃から、みなに『お嬢様みたい』と言われていたのと同時に『男勝りだ』とも言われていた。
小さいころ周りに男の子の友人が多く、遊びは野球、サッカーとか男の子の遊びばかりしていたからだ。小学校も同じような感じで過ごしてきた。
中学に入り、運動部に入ろうかと思っていたが、小学校からの友人に『吹奏楽部に入らない?』と誘われたので、興味が先に立ち、仮入部することに。
先輩が色々楽器を教えてくれる中、私はトランペットが気に入り本入部した。
八谷中は関東大会常連校で、練習は厳しかったが、楽器を吹く事が楽しくて仕方なかった。
トランペットパートには、男子しかいない。
その中で負けないように厳しい練習に励んでいたら、先輩や同学年の男子を差し置いて、私がコンクールメンバーに選ばれた。
学生時代の吹奏楽は、本当に男女平等だ。
実力があれば、コンクールメンバーに選ばれる。ただそれだけの事だ。
しかし、このことで、更に『お嬢様の様で実は男勝り』のイメージが定着してしまった。メンバーに選ばれなかった男子が揶揄してこう言ってきたのだが、昔からそうなので、気に留めなる必要もない。
それとは別に『お嬢様』の部分にだけ反応する男子からの告白が多かった。
でも、私はすべてお断りしていた。少なくとも私より強い人としか付き合う気にならなかったからだ。強い人の定義を聞かれると困ってしまうのだが……
先輩になり、後輩が入ってきた。これも見事に男子ばかりだ。
その中で、顧問の先生に連れられてきた男子がいた。
「増田健太郎です。よろしくお願いします」
ちょっと堅苦しい感じだったが、部活に慣れてきてからは、眩しい笑顔を発揮するようになっていた。それと同時に楽器の腕前もめきめき上達していった。
「須藤先輩が上手に教えてくれるので、楽器が上手く吹ける様になりました」
増田君は、私を慕って事あるごとにこういってくれる、かわいい後輩に育った。
ある日、増田君が遅れてくる事があった。理由は『女子に囲まれている』だ。
増田君に、
「女の子に囲まれちゃって大変だね。でも女の子たちの気持ちはわかるな。確かに笑顔がまぶしいもの」と、ちょっと揶揄った。
すると、増田君は、
「須藤先輩こそ、モテるんじゃないですか?お嬢様みたいですし」
と、女子を悩殺する笑顔で返された。
「お互い、似たようなことで煩わしい思いをしてるんだね」
と、私も笑顔となった。
ライバル視してくる男子とも、容姿にひかれて告白してくる男子とも違う増田君は、私にとってありがたい存在だった。まぁ、恋愛対象にはならなかったけど。
中学も2年生の終わりには進路を決めていかなければいけない。
私はまだ将来の夢と言うものを持ち合わせていなかったので、偏差値に問題がなく、吹奏楽部が強い九十九高校に進路を決めた。
進路希望通り、無事九十九高校に入学した。
入学式も終わり、仮入部の期間がやってくる。
楽器が好きなので、もちろん吹奏楽部に入るつもりだ。
私は、仮入部届を持って、音楽室に向かう。
希望パートを聞かれ、パートごとの挨拶が始まった。
「八谷中学出身の、須藤亜由です。よろしくお願いします」
今回も、見事に男子だらけだ。順番に挨拶をしていき、
「俺は、佐久義武。九十九東中出身だ。これからよろしくな」
と、先輩男子が挨拶をした。
朗らかな人だな~と思ってみていると、私の視線に気が付いたのか、
「お、八谷中のお嬢様だな。見た目に反してかなり上手いと聞いているぞ。一緒にパートを盛り立てていこう」と言われた。
高校にまで、『お嬢様』情報が伝わっているなんて……でも、頼られるのは嬉しい。
「はい。精一杯頑張って、お役に立てる様になりたいです」
と、答え、九十九高校でも、1年でレギュラーになると目標を決めた。
強豪校出身という事で、初日から合奏に参加する事になり、合奏前の自主練を始めようとした時だった。
朗らかで、音の粒が輝く様な、トランペットの音が聞こえてきた。
難しい旋律を事も無げに吹いている。
私は思わず、音の持ち主を探した。
そこには、佐久先輩がいた。そう。かっこいい男子生徒が。
私は、強い人と恋に落ちたいと思っていたけど、まさしくその瞬間がやってきた。
そして、強い人の定義もわかってしまった。
要するに、初恋だ。
佐久先輩が吹いているところを見ていた先輩方が、
「佐久は音大目指せばいいのにな」とひそひそ話をしていた。
確かに頷ける。それくらい上手だったのだ。
それからの私は、トランペットのパート練や、個人練の時に、佐久先輩に声をかけてもらえるのが楽しみになっていた。
練習に熱が入り、佐久先輩から『うまいよな』と言われた時は、家に帰ってもドキドキが止まらなかった。
でも、ひたすらに練習に励んでも、1年生でレギュラーになる事は出来なかった。トランペットパートの先輩方は、八谷中がずっと勝てないでいる、九十九東中の卒業生だった。
実力の差は歴然である。自分は増長していたと反省し、もう一度自分を鍛えなおすことにした。
佐久先輩を眺めるだけでも幸せな日々だったけど、実は知っていた。
佐久先輩に彼女がいる事を。
彼女は、フルート担当で、ちょっとかわいいくらいの容姿で、楽器も上手いとは言えない。けれども、落ち着いた雰囲気を持っている。
きっと佐久先輩は、彼女に癒されているんだろうな、と思い、勝気な自分では横には立てないと気づいてしまった。
片思いの日々。
中学の時と同様、私に告白してくれる男子は多かった。
先輩とは付き合えないので他の人と付き合ってみようかと軽い気持ちで、ちょっといいな、と思った男の子と付き合ってみたりしても、やっぱり佐久先輩と比べてしまう。
男子の方も、私が部活優先なのに不満をもち、別れる事に。
こんな感じの付き合いを繰り返した。
なので、『お嬢様で男勝り。でも恋多き女』と言われる様になってしまった。
本当は、佐久先輩しか好きになれないのに……
プライベートはこんな感じで過ごしていたが、部活になると話は違う。恋と言う感情を忘れ、音楽にのめりこんでいく。
練習は嘘をつかない。1年生が終わる頃には、同学年の男子より上手になっていた。
私は2年生になって、佐久先輩がパートリーダーになった。
少しでも役に立ちたいと思った私は、増田君を勧誘し、入部させることに成功した。
佐久先輩も同様に思ったのだろう。自分の後輩、黒木君を連れてきて、入部させることに成功している。
問題は、弱小中学からきた女の子、石原美佑だ。
私が面倒を見る事になり、色々教えた。
ねを上げるかな?と思ったが、教えたことを熱心に練習し、次々とできる様になっていった。
やっぱり、男子の多いトランペットを志望するって事は、私同様、気が強いのねと、しみじみ思ってしまう。
増田君も、中学時代の事を思い出したのだろう。私が美佑の面倒を見る様に、増田君も美佑に色々教えていた。
一方、黒木君は、増田君より上手いのに人と積極的に関わらず、一人涼しい顔で上手に吹いている。合奏では上手にみなと音楽を合わせているのに、不思議だ。
定期演奏会も終わり、私は昨年の頑張りが認められ、レギュラーに選ばれた。
黒木君が入るかな?と思ったけれども、やはり2年生の方がうまかった。
レギュラーではない増田君、黒木君が美佑の面倒を見ている。
レギュラーから外れた(降り板)の1年生3人組は、楽しそうに練習に励んでいた。
増田君は相変わらずだが、いつも涼しい顔しかしない黒木君も、美佑に色々と教え、笑っていたりしている。
もしかして、増田君と黒木君は、美佑の事が好きなのかな?と女の勘が冴えた。
もしそうだとしても、2人は自分の気持ちに気付いていないんだろうな、とも思う。
美佑に至っては、恋どころじゃないだろう。
増田君と黒木君が教えた事をできる様になるので精一杯の様だ。
3人の練習の成果があって、降り板メンバーの発表会は思った以上に良かった。
美佑には頑張りをほめて、黒木君には、美佑の面倒を見たことをほめる。
「俺だって面倒位見ますよ」
やっぱり、美佑の前でしか表情変わらないのね、とちょっと面白い気分だ。
コンクールも関東大会が終わり、先輩方は引退した。
もう、佐久先輩を見つめられる時間は無くなってしまうのだな、と思うと、胸が引き裂かれる。
思った以上に私は佐久先輩を好きだったんだな、と、向けどころがない思いで、自分が焼かれ、燃えつきてしまう様に感じた。
代替わりをしたが、私の学年はなんとなく部活を続けているような人が多く、休みがちだ。副部長の森さんは、副部長なのに来なくなった。
そんな中で、よい演奏ができる訳がない。
佐久先輩は、熱意のない部員に囲まれている私に、
「演奏は酷いものだが、トランペットパートは実力を保っている。須藤がしっかり教えているんだろ?一人で頑張っている姿が目に浮かぶぞ」
と、常々言葉をかけてくれた。
この言葉と、熱心に練習に取り組む後輩がいなかったら、私は退部して、九十九吹奏楽団という市民吹奏楽団体に入っていただろう。
そんな私たちに危機を感じた、関田さんが中心となり1年生だけで練習を始める。関田さんは美佑をいじめるような子だったけど、本当に変わったと思う。
熱意が感じられ、正直私も加わりたかった。
「卒業おめでとうございます」
とうとう先輩が卒業してしまう。
私は勇気を振り絞って、
「佐久先輩は卒業後何をする予定ですか?」と聞いてみた。
すると、佐久先輩は、
「大学に進んで、吹奏楽を続けるつもりだ。そのために勉強頑がんばったぞ」と、受験も終わってスッキリした顔で教えてくれた。
一方、佐久先輩の彼女は別の大学に進学するそうだ。
でも、なんとなくだけど、別れる事はないだろうな、と思い、心臓に針が刺さった。
佐久先輩が進む大学は、偏差値が高く、吹奏楽部も強いと知っている。
こうして、私の志望校が決まった。
3年最後の定期演奏会は酷いものだった。こんな形で演奏会を終えた事が悲しくて仕方ない。
でも、後輩達が、私についてくると、熱く語りかけてくれる。心に温かい気持ちがあふれ、いい後輩に恵まれた事が嬉しかった。
コンクールは、予選敗退という、信じられない結果に終わった。
信じられないという気持ちと、やっぱりね、という気持ちが混ざって、どっと疲れが出てしまう。
そんな私に、コンクールを見に来てくれた佐久先輩が、
「須藤、辛かったな。残念な結果に終わってしまったが、お前が熱心に育てた後輩が、思いを引き継いでくれる。一生懸命やった事に一切の無駄はないんだ。だから胸をはれ」
と、声をかけてくれた。
佐久先輩の声が聞けた事と、今まで私を気にかけてきてくれたことが、たまらなく嬉しかった、のと同時に、熱意の無い仲間に囲まれてつらかったとか、情けない演奏しかできなかったという悲しい思いで心がぐちゃぐちゃとなり、涙があふれ、止まらない。
そんな私を、佐久先輩は見守ってくれた。
コンクールも終わり、引退した私は、受験勉強に励む。絶対佐久先輩と同じ大学に行きたい、その一心だった。
夢はかなって、無事同じ大学に合格した。
そのことを後輩たちに話すと、『難関校なのにすごいですね』と声をかけてくれた。
でも、吹奏楽が強いとは知らなかったようだ。
こうして、後輩達には気づかれることなく、佐久先輩がいる吹奏楽部に入ることが決まった。
選んだ大学は、全国大会常連校だ。
指導してくれる先生は、吹奏楽をやってる人ならば誰でも知っていそうな、有名な人で、もちろん厳しい練習を課せられる。
また部員も150名を超えている。コンクールに4年間出られない人も多い。
そんななか、佐久先輩は2年生なのに抜擢されていた。音大目指せるくらいの実力だから当然とも思える。
冬には、東京都に籍がある大学のメンバーを集めて、合同演奏会が行われる。これに出るためにはオーディションを受ける必要があった。
佐久先輩はもちろんの事だが合格で、1年である私も、合格する事が出来た。
美佑から、黒木君と同じ大学に入り吹奏楽を続けていると教えてもらっていた。
美佑のいる大学も東京都に籍があるので、合同演奏会に出場する学生も多い。
なので、2人は見に来ているだろう。
2人に佐久先輩を好きな事がばれちゃうかな?と思ったけれども、大学で吹奏楽を続けている2人に私たちのステージを聞いてもらえて嬉しかった。
私も練習のかいがあり、2年でレギュラーとなる。3年間、佐久先輩と一緒にコンクールに出て嬉しかったのと同時に、私の念願だった、全国大会のステージに進めて、吹奏楽部を続けて良かったと、晴れ晴れとした気持ちになった。
佐久先輩は4年間続けて、引退した。
今回も高校の時と同じ思いをしたが、勇気をもってこの後の事を聞いた。
佐久先輩は、
「地元の企業に就職が決まったから、実家に帰るよ。で、九十九吹奏楽団で楽器を続けようと思っている」と教えてくれた。
流石にもう会うのはあきらめなくてはな、と思っていたのだが、楽団に入るってことは、私も地元の企業に入ればいいのか、と、思いが広がる。
こうして、私は地元の会社に就職が決まった。流石に佐久先輩とは同じ会社ではないけれども。
平日は仕事に追われ、休日は吹奏楽団の練習に精を出すという日々を送っていた。
そんな中、美佑から、自分の大学の演奏会のチケットが送られてきた。最後の演奏会だからだと。美佑は佐久先輩にも送っています、といい、天然ぶりを発揮してくれたようだ。
私は、佐久先輩と待ち合わせて、美佑の演奏会を聴きに行った。
舞台の幕が上がり、黒木君の指揮で演奏が始まる。
美佑から『数人は指揮者になって、有名な先生の指導を受けている』と聞いていた。
佐久先輩は知らなかった様だ。
「黒木の指揮、すごく上手だな」
私も同感だ。美佑がチケットを送ってきてくれた、理由が分かった。
びっくりしたのが、美佑がホルンに転向していた事だ。美佑は自分の事は話してくれなかったのね、と、ちょっぴり寂しくなった。
今までの演目を聞いていて、美佑のホルンがものすごく上手なのに驚いた。
佐久先輩も同様で、
「石原、上手いな。卒業したら、うちの楽団に入ってくれないかなぁ。ホルン弱いからな」とつぶやいていた。
とうとう、ソロの場面がやってきた。
なんと、美佑が吹くらしい。
私は自分の事の様にドキドキしてしまう。
美佑は、そんな私のドキドキを超えるような素晴らしいソロを吹いた。
大学時代、どれほど練習したのだろうか。
やっぱり美佑は努力家なのね、と思っていたら演奏会が終わっていた。
後日、美佑に演奏が素晴らしかったと、連絡した。
電話越しの彼女は照れているようで、
「私と数人の最後の演奏会に来ていただいてありがとうございました。演奏が素晴らしいなんて素敵な言葉をかけてもらえて嬉しいです」
と、ちょっともじもじしている、高校時代から変わらない声を聞かせてくれた。
仕事に慣れてきたころ、飲み会があって、私は部長に挨拶をしようと思い、近くに座った。
30才前に、部長に抜擢された、優秀な方だ。
イケメンで仕事ができる。憧れる女子も多い。
私としては、いつもイケメンに囲まれているな、とぼんやり考えていただけだが。
少し緊張しながらもお酌をする。部長は、挨拶をすると、
「須藤さん。九十九高校吹奏楽部に入っていたんだね。
この間、吹奏楽部の卒業生の名簿が作成されただろ?そこに名前があったから、そうなのかと思って。僕も卒業生なんだよ」
と、びっくり発言をした。私は部長の名前に気付かなかった事を謝った。
「気にする必要はないよ。で、九十九吹奏楽団には入っているの?」
「はい。楽器の演奏が好きなので」
「そっか。僕は高校で辞めちゃったからな」
と、吹奏楽の話に花が咲く。
部長はそっと、
「今度一緒に飲みに行かないか?今度九十九吹奏楽団の話とか聞かせてほしいんだ」
と、声をかけてくれた。
「私でよければ喜んで」と、飲みに行くことに決まった。
飲みの席では、吹奏楽の話や仕事の話で楽しく過ごせた。先輩は仕事ができるコツを教えてくれて、
「でも、須藤さんは優秀だからな」
と、ありがたいお言葉を頂いた。忙しい毎日が報われたと感じる。
帰り際、部長が
「今度また、会ってもらえないかな」
と、誘ってくれた。
私は、ちょっとドキッとしながら。
「はい」
とだけ返事をした。顔が赤いのは、お酒のせいだけではない。
佐久先輩以外に、恋ができそうな予感があった。
仕事に追われる日々のなか、約束通り、部長と休日に会う事に。
部長になると、こんな高級なお店でランチをするんだ、と思うと同時に持ち合わせがない事に気づき、そわそわしてしまう。そんな気持ちに気付いた部長は
「僕がおごるから心配しないで」
と、心配を取り除いてくれた。
食事も終わって、コーヒーを飲んでいると、部長が意を決したように話し始めた。
「須藤さん。僕と付き合ってくれないかな?お嬢様の様なのに、男性顔負けで必死に仕事に励んでいるのを見て、好きになってしまったんだ」
私は、佐久先輩への思いが忘れられない事を伝えた。
高校からずっと好きだけど、付き合う事は出来できなかった事も。
その言葉を受け、部長は、
「須藤さんは、思い続けている人がいるんだね。でも僕の事もその中に混ぜてもらえないだろうか」と、会社ではしない、穏やかな顔で、笑顔を向けてくる。
私は、部長を尊敬していた。そして、心が広いことを知った。
「こんな私でもよければ、喜んで告白をお受けします」
私は、自然と穏やかな気持ちに包まれ、部長の告白を受け入れた。
そして、佐久先輩が私を彼女に、なんて考えない理由が分かる。
穏やかで、自分に安らぎを与えてくれる人がいるなんて、他の人を選ぶ気にならない程、素晴らしいことだと思ったからだ。
部長は、九十九吹奏楽団に入った。
「須藤さんは、本当にトランペットが上手なんだね。僕なんかついていくのがやっとだよ」
部長は、大きなチューバという楽器を吹いている。
確かに上手いとは言えないが、楽しそうなので、私も楽しくなってしまう。
佐久先輩と話していると、私の思い人が誰かわかってしまうだろうけど、部長は何も言わなかった。
こうして休日は、吹奏楽デートを続けた。結婚しても続けようと話をしている。
今日、私は、ウエディングドレスを身に纏う。
『佐久先輩。私は別の人と結婚します。でも、佐久先輩の事を忘れる事はできません。許してくださいね』
今日から主人になる人は、私の初恋含めて好きになってくれた。
佐久先輩と結ばれる事はなかったけれども、大きな器をもつ、優しい人と結婚できた私は幸せ者だと思うし、幸せになります。
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