第61話 運命の選択

■賢者との対話


ブラン:さて…霊能者…


ブラン:お前の言い分はきいてやったぞ…


ブラン:その日記が本物かどうか確認したい…


ブラン:早く私に寄越せ!


チビ:まだじゃ…賢者!


チビ:本当に解放されておるのか…


チビ:こちらではわからぬ!


チビ:テレパシーを使う!


チビ:身元の確認をさせてもらうぞ!


ブラン:いいだろう…


ブラン:…さっさとしろ


チビ:……


エリ:大丈夫ですか?チビさん…


ブラン:…まだか?


チビ:人数分の確認が先じゃ!


チビ:もう少し…


チビ:待っておれ!


チビ:……


ブラン:この…化け猫が…


ブラン:…じらしおる


ブラン:私が嘘をつくわけが…ないだろう?


エリ:な…何が賢者よ…


エリ:この…嘘つき!!


エリ:キッ…


エリ:早く皆を解放しなさいよ!!


ハジメ:……


ハジメ:落ち着け…エリ…


ハジメ:ここで争っても何も始まらねぇ…


エリ:で…でも…


ハジメ:あいつの冷静さを見ろ…


ハジメ:この建物は完全に包囲されている…


ハジメ:強い連中と収容所の幹部までここに来ている…


ハジメ:絶体絶命だ…


エリ:そ…そんな…


ブラン:予知か…


ブラン:…気づいておったか


ブラン:さすが救世主…いや…


ブラン:…詐欺師の末裔よ!


エリ:さ…詐欺師!?


エリ:何言ってんのよ!


エリ:あんたの方が詐欺師でしょ!


ブラン:アーハッハッ!!これはこれは…王女さま…


ブラン:少々…御言葉が過ぎるのではないかしら…


ブラン:あなたには…しつけが必要ね…


ハジメ:落ち着け!エリ!


ハジメ:俺たちはここに争いに来たんじゃねぇ!


ハジメ:交渉に来たんだ!


ブラン:だそうですよ?王女さま


ブラン:無駄な足搔きは止めたほうがよろしくては?


エリ:騙したのね…ブラン!


エリ:外道が…許さない…


ブラン:アーハッハッ!アーハッハッハ!!


ブラン:虫ケラ共のわめきが心地良い…


ブラン:王女…いや、エリ…


ブラン:あんたには調教が必要かしら…ねぇ?


空間の緊張感が増幅していく…。


エリ:クッ!


エリ:あ…あんただけは…


エリ:…私の手でぶっ飛ばしてやる!!


ブラン:アーハッハッ!アーハッハッハ!


ブラン:せいぜいほざいていろ…虫ケラ共が…


ブラン:お前たちには悠久の労働をプレゼントしてやるわ!


ブラン:アーハッハッハ!


ブランの高笑いが部屋中に響く…。


・賢者ブラン


賢者ブランの本心が表れる。


チビ:双方やめるのじゃ!!


チビ:ここで争っても何も生まぬ!!


ルージュ:失礼します!ブラン様!


ルージュ:手筈通りに…


ブラン:せっかくいいところで…


ブラン:…フン…下がっておれ…


ルージュ:は!御意…


ブラン:…霊能者!お前の要件はきいたぞ…


ブラン:さっさとその日記を…寄こせ!!


チビ:テレパシーを使わせてもらった…


チビ:30名ほどか…


チビ:確かに解放したようじゃな…


チビ:…いいじゃろう…受け取れ!


ハジメ:くそっ!


エリ:やめてええ!


ブラン:アーハッハッハ!ついに…


ブラン:ついに…輪廻転生の秘術が私の手に!!


ブラン:アーハッハッハ!!


ハジメ:くそっ!


エリ:許せない!


ブラン:…というとでも思ったか?


ブラン:そんな見え透いた芝居で…


ブラン:私を騙せると思ったのか?…この虫ケラ共が…


ハジメ:くっ…


エリ:クッ…


チビ:ダメじゃ…


ブラン:未来の予見で結果が出ておる…


ブラン:この日記は罠であろう?


ブラン:煙幕が仕掛けられた偽物だな…


ハジメ:くそっ…


ブラン:煙幕を仕掛け、合図と共に…


ブラン:お前の次元の扉で逃げようとしたな?


エリ:そ…そんな…


ブラン:こんな子供騙しが…


ブラン:お前たちの切り札だったとはな…


エリ:ど…どうして…


ブラン:お前たちでは私を騙せぬ!


ブラン:私を嵌めようとした罪は重い…


ブラン:お前たちは永遠の地獄行きだ!


ブラン:アーハッハッハ!!


チビ:仕方ない…


チビ:ここまでじゃ…


チビ:賢者ブランよ…これを受け取れ…


ブラン:フン…最初からそうしていれば…いいものを


ブラン:まだ…この日記が本物とは確定しておらぬ


ブラン:中身を改めさせてもらう…


チビ:好きにせい!!


ハジメ:…!


エリ:チビさん…


チビ:いいんじゃ…


チビ:お前たちにも迷惑をかけたのう…


チビ:…せめて、ハジメとエリだけは…


チビ:…逃がさねば…


せっかくの切り札が見破られ、絶望に包まれた三人…。


■輪廻転生の秘術


ブラン:な…なんと…


ブラン:こ…これは…


ブラン:おい!霊能者!!


ブラン:この日記に書いてあることは…


ブラン:誠の事実なのか!?


チビ:そうじゃ…


チビ:そこに書いてあることが…


チビ:事実だということは…


チビ:お前たちが一番よくわかっていることだろう?


ブラン:……


ブラン:ま…まさか…


チビ:そのまさかじゃ…賢者ブラン…


チビ:政府の人間、お前たちなら薄々気づいておったろ?


チビ:この世界の違和感を…


ブラン:クッ…


ブラン:道理で…情報がなかったわけだ…


チビ:お前たち夢の政府は真実を隠し過ぎた…


チビ:お前たちが真実を隠さなければ…


チビ:ここまで、ことは大きくなることはなかった!!


ブラン:この事実を公表できるわけは…なかろう…


ブラン:お前たち下賤の者には必要のない情報だ…


ブラン:お前たちはここでずっと働いていろ!


チビ:違うぞ!賢者ブラン!!


チビ:この世界は本来…皆のものじゃ!!


チビ:そうやってお前たちは神にでもなったつもりか!


ブラン:フン…寝言は寝て言え…ゴミが


ブラン:下賤の者には悠久の労働が似合いだ!


ブラン:まぁ、お前たちは地獄だがな!


ブラン:アーハッハッハ!!


チビ:お前たち政府がこの世界を変えなければ…


チビ:この夢の世界は楽園のままだったんじゃ…


チビ:全ての原因はお前たち政府と三賢者…


チビ:お前じゃ!賢者ブラン!!


チビ:悔い改めるが良い!


ブラン:だ…黙れ!!


ブラン:この化け猫がああ!!


ブラン:お前たちには…


ブラン:私に歯向かったことを後悔させてやる…


チビ:図星か?ブラン


ブラン:この虫ケラ共が…


ブラン:お前たちは永遠に地獄行きだ!!


エリ:クッ…


ブラン:まずは…独房生活から…


ブラン:始めてもらうわ…


ブラン:アーハッハッハ!!


エリ:あ…あんただけはああ!


エリ:絶対に!許さない!!


ブラン:しかし…この日記の存在は…


ブラン:邪魔よね…


ブラン:こいつらと一緒に処分しないと…


ブラン:…少し冷静にいくか


・タイムリミット


チビ:どうせ捕まるんじゃ…


チビ:最後まで話をさせろ!!


ブラン:……


ブラン:いいだろう…続けろ


チビ:お前たちが真実を隠すから


チビ:労働者たちは独自の方法で真実を追ってきた


チビ:その過程で偶然、発見されたものが…


チビ:お前たちが知っているとおり…


ブラン:輪廻転生…というわけか…


チビ:ああ…そうだブラン!


チビ:輪廻転生とは…敗者が生み出した…


チビ:苦肉の策じゃ!


チビ:お前たち政府に対抗するための…


チビ:知恵と努力の結晶じゃ!


ブラン:フン…そんなことは知っておる…


ブラン:私が知りたいのは…


ブラン:輪廻転生の方法だあああ!!


賢者ブランの怒りが増幅する。


空間に亀裂が発生し、緊張感が頂点に達する。


ハジメ:…


エリ:クッ…


エリ:な…なんて威圧…


チビ:な…なんということじゃ…


ブラン:この状況で冷静でいられるか!


チビ:これほどの…チカラを…


チビ:こ…ここまでか…


ブラン:方法はどこに書いてある!


ブラン:この虫ケラがああ!!


チビ:…


チビ:ニタァ…


ブラン:まさか…


ブラン:ま…まさか…


チビ:その通りじゃ…


チビ:ここじゃ…賢者ブラン…


チビは自分の頭を指さした。


その瞬間、エリはチビを拘束し人質にとった。


エリ:悪く思わないで…チビ…


ハジメ:……


ブラン:…?


エリ:…しゃべらないで…


チビ:な…なんじゃ??


チビ:お…落ち着け、エリ!


エリ:これ以上しゃべると…


エリ:頭にでっかい穴が空くわよ!!


チビ:や…やめるのじゃ!エリ


ブラン:……??


ブラン:…どういうことだ?


エリ:…これ以上…


エリ:あんたたちの好きにはさせない…


エリのオーラが増幅する。


つづく。

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