第60話 選択の始め

■選択


ナビ:遂にハジメたちと賢者ブランとの交渉が始まる


・交渉開始


ハジメたちはブランとの交渉に入る。


キラー:只今、戻りました!ブラン様!


ハジメ:待たせたな!賢者ブラン


ブラン:おお…よくぞ帰ってきた!


ブラン:待ちわびたぞ、お前たち!


部屋に緊張感がはしる。


ハジメ:まっ…そう焦るなブラン!


ハジメ:…と、その前に…


ハジメ:腹が痛いんだ…


ハジメ:先にトイレだけいかせてくれ…


エリ:だ…大丈夫?ハジメさん…


チビ:大丈夫か?お主?


ハジメ:いや~体調がまだ悪いし


ハジメ:でっけぇ交渉の前だから…


ハジメ:ちょっと緊張しちゃってな!


ブラン:……


ブラン:体調が悪い??


ブラン:本当か?キラー


キラー:は!事実であります!


ブラン:……


ブラン:いいだろう…15分だ!


ブラン:案内してやれ…キラー


キラー:御意!


キラー:ハジメ殿…こちらへ


ハジメ:すまん!わりぃな!


ハジメ:すぐ戻る!ちょっと待っててくれ…


ブラン:……


ブラン:緊張するのも無理もない…


ブラン:トイレ休憩ぐらい…させてやるか…


空間の緊張感が鎮まる。


ブラン:お前たちは…いいのか?


エリ:じゃ…じゃ~私も…


チビ:わたちも一応しておくか…


ブラン:ブルー!ブルー参れ!


ブルー:は!お呼びですか?ブラン様…


ブラン:この者たちを案内してやれ…


ブルー:は!かしこまりました!


ブルー:その者ども…ついてまいれ…


エリ:あ…ありがとう


チビ:…すまんのう~


ブラン:やっと秘術が手に入る…


ブラン:これで私も…輪廻転生者だ


ブラン:……


ブラン:…私も至福の一息とするか…


それぞれの思惑は廻る…。


束の間の休憩が終わり、15分が経過した。


キラー:戻りました!ブラン様!


ハジメ:すまん!悪いな…


ブルー:こちらも戻りました…


エリ:はぁ~スッキリした


チビ:待たせたのう~


ブラン:よかろう…


ブラン:では…始めるか…


■賢者との交渉


ブラン:よくぞ、戻ってきてくれた!


ブラン:救世主ハジメ、王女エリよ…


ブラン:…私は…待ちわびたぞ?


空間が緊張感に包まれる。


ハジメ:クッ…


エリ:クッ…


チビ:…凄まじいプレッシャーじゃ


ハジメ:本性を現すのが早いな…


ハジメ:威圧し過ぎだぞ、お前!


ハジメ:余裕がないようじゃな…


ハジメ:これなら…いけるか…


ブラン:して…キラーよ!


ブラン:目的のものは…持ってきたのか?


キラー:は!知識の山に眠る輪廻転生の秘術の日記と


キラー:霊能者チビ殿をお連れ致しました!


キラー:チビ殿!どうぞこちらへ…


チビ:…主が賢者ブランか…


チビ:わたちは霊能者のチビじゃ…よろしく頼むぞ…


ブラン:私は賢者だ…


ブラン:そんなことは分かっておる…


ブラン:して…秘術はどこじゃ?


チビ:ここにある!わたちが大切に持っておる!


チビ:この日記はとても貴重なものじゃからな…


ブラン:おお…それが秘術なのか?


ブラン:早く!私に渡すのだ!


ハジメ:待て!ブラン…


ハジメ:忘れてはないだろうな…


ハジメ:これは取引だ!


ハジメ:俺とお前の取引だ!賢者ブラン!


ブラン:…くっ…


空間の緊張感が和らぐ。


ブラン:…まぁ…よい…


ブラン:…キラー!近う寄れ…


キラー:は!ブラン様!


ブラン:そなたに褒美を遣わす


キラー:は!ありがたき幸せ!!


ブラン:この者共と直に話したい…


ブラン:キラー、ブルー!


ブラン:お前たちは別室で休んでおれ…


キラー:御意!


ブルー:は!


キラーとブルーは別室へと移動した。


・霊能者とブラン


ハジメ:忘れるなよ…ブラン…


ブラン:して…救世主ハジメよ…


ブラン:お前の言う通りではあるな…


ハジメ:ああ…これは俺とお前の取引だ!


ハジメ:こっちは霊能者と日記…


ハジメ:お前は収容所の解放…


ハジメ:約束を忘れてもらっちゃ困るぜ!


ブラン:では…お前の言う取引とやらに…


チビ:まぁ…まて賢者…


チビ:ひとつだけ約束をさせてくれ…


チビ:わたちは霊能者…


チビ:お前の考えを読むことができる…


チビ:ここから先は…隠し事はなしじゃ!


チビ:嘘偽りは無しで頼むぞ…


ブラン:フン…そんなことは疾うに知っておる…


ブラン:霊能者…お前が来ることも…


ブラン:私の予見のうちだ…


ブラン:お前の見え透いた作戦も…


ブラン:ここでは通用せぬぞ…


ハジメ:く…くそっ…


エリ:えっ…そ…そんな…


エリ:これじゃ…作戦が…


チビ:やはり…上手くはいかぬか…


ブラン:私は…賢者だ…


ブラン:お前たちのような…下賤の者の考えなどに…


ブラン:翻弄されるわけがなかろう…


チビ:くっ…仕方ない!


チビ:直球勝負じゃ!


ブラン:…当たり前だ


チビ:それでは…


チビ:本題に入るか…


ブラン:見え透いた時間稼ぎはいい…


ブラン:早くしろ…霊能者!


チビ:お前にこの日記を渡そう…


チビ:但し…要求はわかるな?


チビ:先に収容所の全解放をしてもらう!


ブラン:…フン…


チビ:労働者たちの解放が終わり次第…


チビ:お前にこの日記をくれてやる!


ブラン:その日記が本物かどうかもわからぬ!


ブラン:…先に日記を確認することが先でしょ?


空間に、さらに緊張感がはしる。


ハジメ:クッ…


エリ:クッ…


チビ:まぁ…落ち着け賢者…


チビ:お前の言う通りでもあるな…


チビ:但し、等価交換じゃ!!


チビ:まずは主の誠意を見せてもらうぞ…


チビ:なぁ…賢者ブラン?


ブラン:…フン…


ブラン:…いいでしょう…


ブラン:こちらの要求は…まずは日記だ…


ブラン:では…


ブラン:ルージュ…参れ!


ルージュ:は!ブラン様!


ブラン:手筈通り…解放しろ…


ルージュ:は!御意!


ハジメ:……


エリ:えっ…


チビ:なに…


ハジメ:早い…


ハジメ:…こいつも強いな


つづく。

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