第59話 選択

■選択の始め


運命の最終的な選択を迫られる。


その選択が彼らの運命を大きく左右し、未来の道筋を決定づける。


ナビ:選択の時は刻一刻と迫る


・全員集合


異世界から帰ってきたハジメはブランとの交渉に挑む。


ハジメ:すまねー!みんな!


ハジメ:こいつを通ればすぐ着く


ハジメ:遅刻した分は…近道だ!


エリ:もう…本当に待ったんですからね!


エリ:タマさんじゃないけど、ハジメさん気分悪かったから…


エリ:死んじゃったのかと…


チビ:ハジメをそんな簡単に殺すでないぞ!エリ


エリ:だって…


キラー:そうですぞ!エリ殿!


キラー:勇者だって疲れはするのですぞ!


チビ:みんな疲れておる!慎重に行かんとな!


ハジメ:そうだな!…あっ


ハジメ:…トイレいってくるわ


ハジメ:…わりぃ、まだ調子悪いんだ


エリ:大丈夫?ハジメさん?


キラー:大丈夫か?勇者殿?


チビ:無理するでないぞ?


トイレに行くハジメ。


エリ:でも良かった~ハジメさん起きてくれて!


エリ:私がハジメさんにトドメをさすとこだったよ…


キラー:がっはっはっ!


キラー:にしても…さっきのエリ殿のパンチには…


キラー:正直…驚きましたぞ!


チビ:あの殺気は凄まじいものであったのう…


キラー:あの殺気では…われも無事では済むまい


エリ:もう…からかわないでよ!


エリ:だって…本気で起こさなきゃ…


キラー:このキラーもエリ殿が勇者を成敗するところは…


キラー:見たくはありませぬぞ?


キラー:がっはっはっ!


チビ:にゃーぱっぱっ!これは伝説の闘い…


チビ:ウォーカーとフリーマンの因縁の戦いじゃ!


エリ:もう…チビさんまで…


キラー:チビ殿!!


キラー:それはまだ…


チビ:あ!…すまんかった…


チビ:ついつい口が滑ってもうたんじゃ…


エリ:ん?今なんて…


エリ:フリーマン?…なにそれ?


チビ:いや~エリ、こっちの話じゃ忘れてくれい!


・出発進行!


トイレから戻るハジメ。


ハジメ:ああ~スッキリした!


ハジメ:ただいま!みんな!


ハジメ:どうしたんだ?みんな…


エリ:ハジメさん!ちょっと聞いてよ…


キラー:ま…まぁ…エリ殿…


キラー:…落ち着いて!


キラー:それより…大丈夫であるか?勇者殿!


チビ:い…いや~


チビ:なんでもないんじゃ!


エリ:ええ~なんでもなくはないよぉ…


ハジメ:ま!いいじゃねぇーか!


ハジメ:ウォーカーだろうが、なんだって!


ハジメ:そんなことよりも…


ハジメ:今はブランとの交渉が大切だ!


チビ:聞いておったのか…ハジメ


キラー:ハジメ殿…


エリ:ハジメさん…


チビ:お主!また一段と変わったのう…


チビ:ハジメの言う通りじゃ、すまんかった!


チビ:まずは目先の交渉に全力を注がんとじゃのう!


ハジメ:みんな!本当に…


ハジメ:遅くなってすまなかった!


ハジメ:じゃ、行こうか!


・次元の道


エリ:…で、さっきのフリーマンって何なのよ?


チビ:ま…まぁ忘れるのじゃ!エリ!


チビ:お主も意外としつこいのう…


エリ:…なんですって?チビさん…


キラー:これは…因縁の闘いですぞ!チビ殿…


キラー:がっはっはっ!


ハジメ:キラー、お前にも心配かけたな


ハジメ:本当にすまなかった


キラー:いやいや気にするでない、ハジメ殿!


キラー:われはこうやって…


キラー:勇者殿と共に…次元の道を歩くことが…


キラー:夢だったのですぞ!!


キラー:がっはっはっ!


ハジメ:話は変わるが、キラー


ハジメ:お前、相当強いな!


ハジメ:お前だけで俺たち三人を始末できたのに


ハジメ:なぜ、やらないんだ?


キラー:な…な~にを言っておるか、勇者殿!


キラー:いくら勇者殿と云えども


キラー:その言葉は聞き捨てなりませぬぞ!!


キラー:な…なぁ?エリ殿!チビ殿!


エリ:そうよ!そうよ!


エリ:寝坊して遅刻した人間が言う…


エリ:ものの態度じゃないでしょ!


エリ:ちゃんとキラーさんに謝りなさいよ!


チビ:そうじゃぞ!ハジメ!


チビ:キラーはお主のことをずっと心配しておったんじゃ!


チビ:なのに…その態度はなんじゃ!


ハジメ:そうは言っても、キラーは敵だぞ?


キラー:…ですな。


エリ:そ…そうだけど…


チビ:まぁ…そうじゃの…


ハジメ:まっ!皆の言うことも一理ある!


ハジメ:お前と一緒だから、ここまで来れた!


ハジメ:礼を言う、ありがとう!


キラー:急に何を言い出すか!勇者殿!


キラー:言ってる意味が解りませぬぞ!


キラー:がっはっはっ!


ハジメ:もし、同行者がお前じゃなかったら


ハジメ:俺たちはとっくに捕まっていただろうな


キラー:……


キラー:我は任務を遂行したのみ…


キラー:それだけですぞ!ハジメ殿!


ハジメ:お前とももう、お別れだ


ハジメ:ただ、一度でいいから


ハジメ:お前と戦ってみたかった!キラー


キラー:機会があれば…我もハジメ殿と…


キラー:お手合わせをお願いしたい…


キラー:…ものですな!がっはっはっ!


ハジメ:俺はお前の本心と戦いたいんだ!


エリ:ハジメさん…なんか好戦的ね…


チビ:なんかあったのかのう…


■ハジメとキラー


ハジメ:お前と戦えば楽しいだろうな!


キラー:……


キラー:なるほど…


キラー:…われも戦い自体は好きだ


ハジメ:戦いはコミュニケーション!


ハジメ:お前のことが知りたいんだ、キラー!


ハジメ:今から戦ってみるか?


キラー:……


キラー:無意味な争いは嫌いだ…


キラー:そして…暴力は、もっと嫌いだ


キラー:われは…暴力のない世界を切に願う


チビ:ハジメ!キラーをいじめるでない


チビ:キラーにはな…壮絶な過去が…


キラー:チビ殿!!


キラー:いいんです…


キラー:ハジメ殿の言う通り…いつか…


キラー:…心の対話をしてみたいものですな


エリ:キラーさん…


ハジメ:キラー!お前の過去に何があったかは、わからねぇ


ハジメ:何があってブランについてるのかは知らねぇーが


ハジメ:お前はお前だ!キラー


ハジメ:俺の仲間になれ!影のキラー!


ハジメ:俺と一緒に”また”冒険をしようぜ!


エリ:ええっ…いきなりここで!?


エリ:それを言う?


チビ:大きくでたな…ハジメ…


キラー:やはり…


キラー:気づいておったか…


エリ:気づく??


ハジメ:別に今のお前を責めるわけじゃねーよ!


ハジメ:何か理由があってここにいるんだろ?


キラー:われは、我の道を行くのみ!


キラー:あのときの誓いに嘘はつけん…


キラー:…期待に応えられず申し訳ない


ハジメ:そうか…本当に世話になったな


ハジメ:お前のおかげで


ハジメ:誰ひとり欠けることなく、ここまで来れた!


ハジメ:ありがとう!影のキラー


キラー:……


キラー:…お心遣いに感謝する…ハジメ殿


エリ:……?


チビ:友情…か…


ハジメ:さぁ!着いたぞ!


ハジメ:ブランと交渉だ!!


魂の覚醒を果たしたハジメは、自分の本質と役割を理解し、全てが見えるようになる。


彼の意識は鋭敏になり、過去と未来の繋がりをより深く感じ取ることができるようになっていた。


つづく。

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