第58話 覚醒ハジメ

■覚醒の終わり


ナビ:魂の覚醒を終えたハジメ、その実力は果たして?


・覚醒ハジメ


友を想い魂の覚醒を終えたハジメは覚醒ハジメとなった。


ウォーカー:まぁほとんどは俺のエネルギーを吸った…


ウォーカー:吸収のスフィアのおかげだがな…


ハジメ:し…信じられん…


ハジメ:これが魂の覚醒…


ウォーカー:ウッ…


ハジメ:ん?


周囲の空間に強烈な威圧が発生し緊張がはしる。


空間が変異し始め、砂丘がいびつな形になる。


ウォーカー:ハジメ…30秒よこせ…


ハジメ:は、はい!


ウォーカー:見えるか?


ハジメ:す、凄い!!


ウォーカー:じゃ…これならどうだ?


ハジメ:攻撃が見える!


ハジメ・ウォーカーの超高速な攻撃を避けるハジメ。


ウォーカー:ほぉ…


ハジメ:時が止まっているみたいだ!


ウォーカー:なら…


ウォーカー:お前も攻撃してこい…


ハジメ:はい!


覚醒ハジメは攻撃を始める。


彼の攻撃は雷光となり周囲に強力な電流が流れる。


ウォーカー:雷光?…風か


ウォーカー:ほぉ…いいぞハジメ!


ウォーカー:相手をよく見ろ!


ハジメ:はい!


ウォーカー:予知も使え!


ウォーカー:気を緩めるな!


ハジメ:はい!


ハジメ:た、楽しい!


ハジメ:なんて楽しいんだ!!


ウォーカー:…だろ?


ウォーカー:戦いはコミュニケーション


ハジメ:はい!


ウォーカー:実戦はスポーツだ


ウォーカー:覚えておけ!


ハジメ:はい!!


ハジメ:自分の思い通りに動けることが


ハジメ:こんなにも爽快だなんて


ハジメ:知らなかった!!


ウォーカー:戦いを楽しめ…覚醒ハジメ!


ハジメ:は、はい!!


ウォーカー:残り10秒か…


ウォーカー:ウッ…


ウォーカー:…少し本気を出すぞ?


ハジメ・ウォーカーの周囲の空間が歪み、緊張が絶頂を迎える。


強烈なプレッシャーで時間と空間が変異していく。


時間の経過が超スローとなり、彼は視界から消えた。


ハジメ:はい!


ハジメ:え…


ハジメ:み、見えない!!


ハジメ:痛ってえええ!!


ウォーカー:…気を緩めるな…


ウォーカー:…感じろ…


ウォーカー:…この次元の戦いからは目で追えなくなる…


ウォーカー:…全身にオーラを張り巡らせろ…


ハジメ:は、はい!


ハジメ:感じる…


ハジメの周囲の空間に空気の層ができる。


ハジメ:風の流れ!?


ハジメ:…クッ!


ウォーカー:…やはり風か…


ウォーカー:…ほぉ…よく避けたな…


ウォーカー:…ラスト5秒…


ウォーカー:ハジメ右手にチカラを溜めろ!


ハジメ:はい!


ウォーカー:俺の撃つ光線を弾き返してみろ!


ハジメ:は、はい!


ハジメ:右手にチカラをおおお!!


ハジメ:ぐおおおおお!!


ウォーカー:フ…


ウォーカー:いいぞ…ハジメ…


ウォーカー:いくぞ!ハジメ!


ハジメ・ウォーカーの右手から強烈な光線が放たれる。


それを同じくチカラを溜めた光線で受け止める覚醒ハジメ。


ハジメ:があああぎいいい


ウォーカー:少し強すぎたか…


ハジメ:ぐうううげえええ


ウォーカー:ハジメ!友のことを思い出せ!


タマ:ハジメは救世主だみゃ!


ハジメ:ハジメはきっとくるにゃ!


ハジメ:…タマ…


ハジメ:俺はタマを助けに行くんだああ


ハジメ:ごおおおおお!!!


ハジメはウォーカーの放った光線を弾き返した。


ハジメ:…ハァハァ…ハァ


ウォーカー:やるな…田中ハジメ!


ハジメ:…はい!!


■異世界の約束


ハジメ:覚醒ハジメか…


ハジメ:…この姿は結構疲れるな


ウォーカー:その姿はエネルギーの消耗が激しい


ウォーカー:慣れるまでは、変身を解いておけ


ハジメ:は…はい!


ウォーカー:今のお前ならもって三分だ…


ウォーカー:何事も経験だ…


ウォーカー:変身しまくって身体に覚えさせろ


ハジメ:はい!


ハジメ:ふぅ~


ハジメ:あれ?元の姿がちょっと変わった?


ハジメ:覚醒したからか?


ウォーカー:そりゃ覚醒すりゃ姿形も変わるだろ


ウォーカー:大人になったと思え!ハジメ


ハジメ:は、はい!


ハジメ:うん…まっ、いっか!


ハジメ:そうだ!神様、聞きたいことが!


ウォーカー:なんだ?


ハジメは輪廻転生の始祖であるハジメ・ウォーカーに色々と質問をする。


ハジメ:次元の歪みを…


ウォーカー:どれぐらいだ?これぐらいか?


ウォーカー:それなら構えに念力を練り込め…


ハジメ:無色の天球で…


ウォーカー:願いは想いの具現化だ…


ウォーカー:こんなことだってできるぞ?


ハジメ:どれが本人だかわかんねえーよ!


ウォーカーはハジメの質問に対してさまざまな助言をする。


助言をするウォーカーは少し嬉しそうだった。


束の間のひとときはあっという間に過ぎていく。


ウォーカー:じゃ、さっさと帰れ!


ウォーカー:もう何も渡すもんはねーぞ?


ウォーカー:ここで6時間は過ぎてる…いいのか?


ハジメ:もう、そんな時間なんですか?


ハジメ:みんなが待っている帰らないと!


ウォーカー:もう…お前に会うことは…


ウォーカー:ねーだろうな…


ウォーカー:楽しかったけどな…


ハジメ:……


ハジメ:次に会うときは…


ハジメ:俺の大切なトモダチを…


ハジメ:ここに連れてきます!!


ウォーカー:…ああ…


ウォーカー:…会わせてくれ…


ウォーカー:See you again


ウォーカー:またな…田中ハジメ


ハジメ:ありがとう…ハジメ・ウォーカー


ハジメは深々とお辞儀をして夢の世界へと帰っていった。


■ハジメの帰還


ブランとの交渉の時は迫る。


エリ:どうしよう…ハジメさんが起きないよう…


エリ:もう、9時間は過ぎているのに…


エリ:遅刻しちゃう!!


キラー:このまま勇者が起きなければ…


キラー:おふたりだけでも…ブラン様に会って頂きますぞ…


チビ:仕方あるまい…


チビ:覚悟の上じゃ!


チビ:先方を待たせるわけにはいかんしのう…


キラー:我も不本意ながら…


キラー:申し訳ない…エリ殿…チビ殿…


エリ:もう…かくなる上は…


エリ:キッ…


エリ:力づくで起こす!


エリ:ダメージは後で回復させるわ…


キラー:エリ殿!?ご乱心を!


チビ:や…やめるのじゃああ!エリ!


エリ:この…起きてえええ!


エリ:ハジメさああん!!


エリは寝ているハジメの顔面にオーラを纏った拳を振り下ろした。


エリ:あ…あれ??


エリ:…消えた!?


チビ:な…なんじゃと!?


キラー:早い…


ハジメ:ただいま!エリ


ハジメ:何も殴ることはねーだろ?


エリ:お…おかえり…


チビ:おお…ハジメか?


キラー:……


ハジメ:遅くなって悪ぃ!


ハジメ:待たせたな!みんな


ハジメは右手を前方に構え、一瞬で次元の扉を開いた。


ハジメ:ブランが待っている


ハジメ:じゃ!行こうか!


輪廻転生の始祖、ハジメ・ウォーカーと出会ったことでハジメはついに魂の覚醒を迎えた。


彼の意識は広がり、自分自身の全てを理解し、受け入れることができるようになる。


この瞬間、彼は過去世の自分と現在の自分を完全に結びつけ、未来への道筋を見出す。


つづく。

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