第57話 覚醒

■始まりの者


ハジメ:ちょっと待て…


ハジメ:お前は何を言ってるんだ?


ハジメ:お前が輪廻転生の始まりなわけないだろ?


ウォーカー:事実だ


ハジメ:あんたが輪廻転生の始祖ってことは…


ハジメ:あんたが初めて輪廻転生に成功したということなんだな?


ウォーカー:そうだ


ハジメ:あなたが輪廻転生の始まりだからウォーカーの血なのか?


ウォーカー:そうだ


ハジメ:あなた様…いや、神様のお名前が代々引き継がれているのですか?


ウォーカー:それは知らん


ウォーカー:てかなんだお前は…気持ちわりぃな


ウォーカー:普通に話せ


ハジメ:ちょっと待て、ちょっと待て!


ハジメ:なんで俺は輪廻転生の始祖とかいう…


ハジメ:神様みたいなやつと一緒にいるんだ?


ウォーカー:お前が呼んだんだろうが


ウォーカー:そこの海岸で苦しそうに倒れてたぞ、お前


ハジメ:……


ウォーカー:放置してもよかったが…


ウォーカー:恨まれそうだから…


ウォーカー:助けてやったぞ、ハジメ


ハジメ:……


ハジメ:あ…ありがとうございます


ハジメ:そういえば…胸の動悸が収まってるな


ウォーカー:だから助けてやったぞ、ハジメ


ウォーカー:瀕死状態だったからな…お前


ウォーカー:なぜこんな貴重なスフィアを持ってるのか知らんが…


ウォーカー:スフィアに念力を吸われ過ぎだお前は


ハジメ:スフィア??念力?


ハジメ:何を意味のわからんことを言ってるんだ?この神様は…


・スフィア


ウォーカー:お前が帰る直前に渡そうと思ってな


ウォーカー:ほら、このスフィア大切なんだろ?


ハジメ:ああ!タマの天球!!


ハジメ:あ…ありがとうございます!


ハジメ:でもなんで…てか天球にエネルギーが…


ハジメ:…充満している??


ウォーカー:お前の体調不良はそのスフィアが原因だ


ウォーカー:そのスフィアがお前の念力を吸い取っていたんだ


ウォーカー:そのスフィアは吸収のスフィアだからな


ハジメ:吸収のスフィア??


ウォーカー:念力やエネルギーを吸収して…


ウォーカー:想いをチカラに変えることができるスフィアだ、それは


ウォーカー:結構なレアスフィアなんだぜ、それ!


ハジメ:これは無色の天球じゃないのか??


ウォーカー:ああ、夢の世界では天球と呼ぶのか…


ウォーカー:もう昔のことなんで忘れちまった


ハジメ:昔のことって…神様は何歳なんですか?


ウォーカー:何歳かは知らんが…夢の世界に居た時は確か4,000年前ぐらいか?


ハジメ:よ…4,000年!?


ハジメ:人の寿命って…何年だ?


ハジメ:……


ハジメ:だめだ…理解が追いつかねぇ…


ウォーカー:安心しろ!ハジメ


ウォーカー:お前のそのスフィアが悪さしないように


ウォーカー:その吸収のスフィアの限度までフル充電しておいたぞ


ウォーカー:当分、そのスフィアがエネルギーを吸収することはねーよ


ハジメ:フル充電って…


ハジメ:これは…電池か?


■ハジメの願い


ハジメ:でもどうしてタマはこの天球を持っていても大丈夫だったんだ?


ハジメ:こんなの持っていたら普通に生活できないだろ?


ウォーカー:その持ち主のことは知らねーが…


ウォーカー:そのスフィアから念力を吸われないケースは…


ウォーカー:ふたつあるな…


ウォーカー:ひとつは一定量のエネルギーを吸収すると吸収が止まる


ウォーカー:簡単に言えば充電完了だな


ウォーカー:ふたつめがエネルギーと認識したものだけが吸収される


ウォーカー:エネルギーと認められないものは吸収されない


ハジメ:なるほどな…


ウォーカー:今までのお前たちの念力なら…


ウォーカー:エネルギーとして認識されてなかったんじゃないか?


ウォーカー:レベルが低すぎて…


ハジメ:だからタマの分身と同化してから…


ハジメ:この無色の天球に知らない内にエネルギーを吸われていたわけか…


ハジメ:俺が強くなればなるほど…この天球は念力を吸う


ハジメ:そりゃ…苦しくなるわな…


ウォーカー:そのスフィアに認められたってことだ


ウォーカー:よかったじゃねーか、ハジメ


ハジメ:そうか…タマは色々と考えてたんだな…


ハジメ:ありがとう!タマ!


ウォーカー:……


ウォーカー:お前の言うタマが何者かは知らんが…


ウォーカー:それはトモダチなのか?


ハジメ:ああ…タマは俺にとってかけがえのない友達だ!


ウォーカー:そうか…


ウォーカー:ならそのトモダチのことを想って…


ウォーカー:そのスフィアに願いを込めてみろ


ハジメ:……??


ハジメ:…タマは俺のかけがえないのない友達だ…


ハジメ:…友達が収容所で待っているんだ…


タマ:救世主を待ってるみゃ!


タマ:ハジメは救世主だにゃ!


ハジメ:誰でもねぇー!俺がああ!!


ハジメ:俺がタマの救世主になるんだああ!!


覚醒ハジメ記事内01


無色の天球に願いを込めたハジメは、ついに本当の自分の使命に気づき、覚醒する。


友達を想うチカラが具現化し、次元の歪みを使役する覚醒ハジメとなった。


彼の髪は白くなり、全身は無数のオーラを纏い、強烈なプレッシャーを放つ。


ハジメ:……


ハジメ:こ…これは…


ウォーカー:それが俺の血…


ウォーカー:ウォーカーの血だ…ハジメ


ウォーカー:友を想う心が魂を呼び覚ます


ハジメ:す…凄い…


ウォーカー:それは魂の覚醒


ハジメ:な…なんてチカラだ…


ウォーカー:覚醒ハジメの誕生だ


つづく。

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