第56話 ウォーカー

■砂丘での戦い


ハジメ:ハァハァ…くそっ…


ハジメ:なんでこいつは…ぐはっ!


ハジメ:ゼェゼェ…こんなにも強いんだ…


ウォーカー:そりゃ…経験の差だ!ハジメ


ウォーカー:お前と俺とじゃ、そもそもの経験値が違う


ハジメ:ハァハァ…そんなことはわかっている


ハジメ:でも俺も強くなったはずだ…


ハジメ:強くなればなるほど、あんたが遠くに…


ハジメ:…ぐはっ!痛ってええ!


ウォーカー:考えることはいいことだがな、ハジメ!


ウォーカー:口ばっか動かしてないで…


ウォーカー:死に物狂いで動き回れ…


ハジメ:ハァハァ…くそっ!


ハジメ:ゼェゼェ…息が…


ハジメ:ハァハァ…こんなにも動き回っていたら


ハジメ:ハァハァ…息が…持たねぇ


ウォーカー:止まってんじゃねーよ


ウォーカー:動け!息が切れても動け!


ウォーカー:体に苦痛を与えろ


ウォーカー:そうすれば無駄な動きもなくなる


ウォーカー:ひとつひとつの動作に意味を持て!


ウォーカー:考えろ!


ハジメ:ハァハァ…考えろったって…


ハジメ:こんな状況で…ハァハァ


ハジメ:痛ってええええ!


ウォーカー:考えるのが嫌なら、覚えろ


ウォーカー:体に覚えさせろ!


ハジメ:覚えろっても…ぐはっ!


ハジメ:痛ってえええ!


ハジメ:痛てぇーだけじゃねぇかよ!!


ウォーカー:それでいい…ハジメ


ウォーカー:体に痛みを記憶させろ!


ウォーカー:痛かったら、次から避けろ


ウォーカー:体に覚えさせて無意識に判断させろ!


ハジメ:こ…こいつの言ってることは…


ハジメ:間違ってねぇ


ハジメ:ぐはっ!!痛てぇ…


ハジメ:なんか…慣れてきたぞ…


ウォーカー:それでいい…


ウォーカー:まずは見るより慣れろ


ウォーカー:実戦が最大の教えだ、ハジメ!


ハジメとウォーカーとの戦いは数時間にも及んだ。


■ハジメ・ウォーカー


ウォーカーとの実戦でボコボコにされたハジメ。


ウォーカー:そろそろ…頃合いか…


ウォーカー:スフィアを返してお帰り頂こう


ハジメ:ハァハァ…ゼエゼェ…


ハジメ:ハァ…くそっ…胸が苦しい…


ハジメ:気を抜いたら…意識が飛びそうだ…


ハジメ:ハァハァハ…ゼェゼェ…


ウォーカー:終わりだ、ハジメ


ウォーカー:よく生きてたな


ウォーカー:今回はここまでだ


ハジメ:……ハァ…ハァ


ハジメ:ハァハァ…ゼェゼェ…


ウォーカー:今のお前にしては…


ウォーカー:よく耐えたじゃねーか


ウォーカー:俺が学生の時なんか…


ウォーカー:学校でいじめられてたぞ!


ウォーカー:お前のことが羨ましいぜ…


ウォーカー:お前ぐらい強かったら俺も楽しかっただろうな!


ハジメ:…ハァハァ…いじめ?


ハジメ:…ゼェ…ゼェ…られてただと?


ハジメ:…ハァ…ハァ…お前がか?


ハジメ:…ゼェゼェ…


ハジメ:ハァ…何がいじめだ…この化け物め…


ハジメ:ハァハァ…こっちはいじめより死にそうだわ…


ウォーカー:時間がねーんだろ?


ウォーカー:さっさと元いた世界に帰りやがれ!


ハジメ:ハァハァ…言われなくても…そのつもりだ…


ハジメ:ボロボロだが…早く戻らないと…


ウォーカー:そうだな…ボロボロじゃ…


ウォーカー:…ちょっと可哀そうだな


ウォーカー:餞別だ!お前にいいものくれてやる!


ウォーカー:受け取れ!ハジメ!


ハジメ・ウォーカーはハジメに対し閃光のオーラを放つ。


その閃光はハジメを包み、彼の身体中の傷とケガ、着衣していた衣服が元に戻る。


そしてハジメの身体中からオーラが溢れていた。


・ウォーカーの血


ハジメ:な…なんだ…


ハジメ:こ…これは!?


ハジメ:俺…また強くなってないか??


ハジメ:以前も同じことがあったが…


ハジメ:全部、あんたの仕業か?


ウォーカー:俺はきっかけを与えただけだ…ハジメ


ウォーカー:ウォーカーの血にな


ハジメ:ウォーカーの血?


ハジメ:チビも言っていた…ウォーカーとは何だ?


ウォーカー:始まりの者…始祖だ


ハジメ:始祖?


ハジメ:そういえば…


ハジメ:あんたの名前もウォーカーだな


ハジメ:何か関係があるのか?


ウォーカー:輪廻転生を初めて成功させた者だ…


ハジメ:なるほどな…だから始まりの者…


ハジメ:輪廻転生の始祖になるわけか…


ハジメ:凄い血なんだな…ウォーカーって…


ハジメ:輪廻転生界隈の神様みたいなもんじゃねぇか!


ウォーカー:…俺が


ハジメ:はああっ!?


つづく。

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