第55話 ハジメの試練

■覚醒


ナビ:ハジメは異世界でとある人物と出会う


・ハジメの試練


見たこともない世界で目覚めるハジメ。


ウォーカー:…お……き…


ウォーカー:…おい…おき…


ウォーカー:おい…おきろ…


ハジメ:ハァハァ…クッ!!


ハジメ:はっ!タマ!!


ハジメ:あれっ…ここは…!?


ウォーカー:……


ウォーカー:なにを…わけわからんこと…


ウォーカー:…ほざいてやがる


ハジメ:お…お前は!!


ハジメ:なんでここに!


ウォーカー:なぜここに?


ウォーカー:何を言ってやがる…


ウォーカー:毎回、呼び出されている…


ウォーカー:…こっちの身にもなってみろ


ハジメ:…呼び出す??


ハジメ:俺が…!?


ウォーカー:お前と違って暇じゃねーんだよ…俺は!


ウォーカー:いや…暇か、俺


ウォーカー:まぁ…いい!こっちこい!俺


ハジメ:お前が呼び出したんじゃ…ないのか?


ハジメ:俺をここに…


ウォーカー:はあ?まだ訳の分からんこと言ってんのか?


ウォーカー:俺がお前を呼ぶ理由が1ミリもねーよ


ウォーカー:さっさとここに座れ!この雑魚が!


ハジメ:…な…なに!?雑魚だと!!


ハジメ:…くっ…!


ハジメ:……


ウォーカー:ほぉ…少しは大人になったようだな…


ハジメ:ああ…お前の言う通りだ…


ハジメ:俺には…チカラがない…


ウォーカー:以前と比べて…顔つきも違うな…お前


ウォーカー:…雑魚から稚魚にはなったようだな


ハジメ:俺は…お前のことが大嫌いだが…


ハジメ:お前がとんでもなく強いことだけはわかる…


ハジメ:俺は…お前のように強くなりたい…


ウォーカー:そうか…同化したのか…


ウォーカー:まぁ…いい…


ウォーカー:せっかくここに来たんだ…


ウォーカー:いいからここに座れ「ハジメ」


・異世界の砂丘


ハジメ:ここは…どこなんだ?


ハジメ:綺麗だな…ここ…


ウォーカー:だろ?ここは俺のとっておきの…


ウォーカー:…思い出の場所だ


ウォーカー:砂丘ってわかるか?ハジメ


ハジメ:…砂丘?


ウォーカー:近くの千代川が長い年月をかけて…


ウォーカー:砂を運んで作られた場所だ


ウォーカー:俺の初めての友達と、初めて会った場所が…


ウォーカー:…この砂丘だ


ハジメ:へぇ「あんた」にも友達がいるんだな…


ウォーカー:そりゃ、友達のひとりやふたりぐらいは…


ウォーカー:…いねーか


ウォーカー:みんな…とっくの昔に死んじまったしな…


ハジメ:お…おい…


ハジメ:俺はそんなつもりで言ったわけじゃねぇよ!


ハジメ:…す…すまなかった…忘れてくれ


ウォーカー:いや、いいんだ


ウォーカー:友達か…あいつに早く会いてーな…


ハジメ:こいつ…意外と人間味があったんだな…


ハジメ:人間じゃないと思っていたが…


ウォーカー:そりゃー俺だって人間だ…


ウォーカー:…今は化け物かもしれねーがな


ハジメ:やはり…あんたも心が読めるのか…


ハジメ:そりゃ…当然か


ウォーカー:別に俺は好きで読心術やってるわけじゃねーよ


ウォーカー:お前もそうだろ?見えるんだ…


ウォーカー:…嫌なものまで見えちまう


ハジメ:あ…ああ…


ウォーカー:じゃ、質問に戻るか、ここはどこ?だな…


ウォーカー:お前の予測通り、ここは異世界だ


ウォーカー:よくわかったな


ハジメ:やはり…チビの言ったとおりか…


ウォーカー:ほぉ…あのババア…


ウォーカー:まだ生きてやがったか


ウォーカー:懐かしいな…あの化け猫


ハジメ:…ば…化け猫?


ウォーカー:霊能者もどきの、あのババアだろ?


ハジメ:…ば…ババア??


ハジメ:あ…あんたチビを知っているのか!?


ウォーカー:知ってるも、なにも…昔の仲間だ


ウォーカー:元気にしてるのか?あのババア


ハジメ:あのチビが…化け猫でババア!?


・経験値


ウォーカー:まぁ…今はそんな思い出話に浸っている場合じゃねーんだろ?


ウォーカー:仲間を助けたいんだろ?


ハジメ:さすが…全てお見通しってわけか…


ハジメ:ああ、俺はあんたみたいに強くなりたいんだ!


ハジメ:どうしたらいい?教えてくれ!!


ウォーカー:どうしたらいい?ってお前…


ウォーカー:そんな簡単に言われてもな…


ハジメ:そんなことはわかってる!何かコツとか…


ハジメ:心構えとか…


ウォーカー:まぁ…センスと勇気と努力…


ハジメ:センスと勇気と…努力…


ウォーカー:…は別にいらんな!


ハジメ:…いらないのかよ!!


ウォーカー:さっき言った言葉は全てまやかしだ…


ウォーカー:センスがあってどうする?


ウォーカー:勇気をもって何をする?


ウォーカー:努力して何になる?


ハジメ:そりゃ…全部あったら強くなりそうな気が…


ウォーカー:きれいごと並べて強くなるんだったら


ウォーカー:誰もこんな苦労しねーよ


ハジメ:じゃ…どうすりゃいいんだよ!


ハジメ:俺は強くならなきゃいけないんだ!


ハジメ:タマの前で…俺は救世主になりたいんだ!!


ウォーカー:…経験だ…


ウォーカー:全ては経験なんだ…ハジメ


ハジメ:…け…経験??


ウォーカー:なんでもいい、挑戦して体感しろ


ウォーカー:まずは自分でやってみて考えろ


ウォーカー:ゲームでもそうだろ?


ウォーカー:経験値を貯めて強くなる


ハジメ:ああ…それはわかるが…


ウォーカー:何事も経験するんだ!ハジメ


ハジメ:そりゃ…俺も経験したいが…


ハジメ:…経験つったって…今から経験してたら…


ハジメ:…時間が…


ウォーカー:つべこべ御託はいい…


ウォーカー:戦え!戦って戦って戦いぬけ!


ウォーカー:努力じゃねー実戦を積み重ねろ!


ウォーカー:俺はこれで強くなった


ウォーカー:センスも何もいらねーよ


ハジメ:そりゃ…あんたはそれでいいかもしれねぇが…


ハジメ:俺には時間がねぇんだよ!!


ウォーカー:だから御託はいいって言ってんだろ?


ウォーカー:時間が無いんだろ?


ウォーカー:戦えよ…ハジメ


ハジメ:えっ…


ウォーカー:文句は良いから


ウォーカー:今すぐ俺と戦え、ハジメ


つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る