第39話 運命の再会

■運命の始め


前世で重要な関係にあった人物との再会。過去の因縁が明らかになる。


ナビ:ハジメは運命を知ることとなる


・運命への前兆


ハジメは巫女との会話を回想する。


巫女から聞いた事実で眠れずにいた。


ハジメ:あの教授が俺ってどういうことなんですか?


巫女:まぁ…突然すぎるか…


巫女:やっぱ、忘れてくれ!ハジメ


ハジメ:んな…はいそうですか、忘れます!


ハジメ:ってなるわけないでしょ!


ハジメ:責任もってちゃんと教えてもらいますよ!


巫女:うう…


巫女:これは…面倒くさいことになってしまった!


ハジメ:心の声が漏れてますよ…巫女さん!


巫女:これは…面倒くさいことになってしまった!


ハジメ:言い直しても無駄ですよ!教えてください!


巫女:ぐぬぬ…


ハジメ:教えてください!!


巫女:あ!そうだ…忘れてた


巫女:これを渡しに来たのだった


巫女:ほれっ、受け取れハジメ!


ハジメ:え…何ですか…これ?


巫女は小さな球体をハジメに渡した。


受け取った丸い水晶球は彼の右手の中でキラキラと輝く。


巫女:それは天球と言ってな


巫女:まぁ…お守りだ


巫女:肌身離さず持っておくといいぞ!


ハジメ:天球…?


ハジメ:この前の神社で見た、あの大きな天球ですか?


巫女:あれとはまた別物だ…


巫女:特別に、その天球を授けようぞ


巫女:大切にするが良い!


ハジメ:はぁ…ありがとうございます…


ハジメ:で、巫女さんと教授はどこで知り合ったんですか?


巫女:あのジジイとは昔からの付き合いでな!


巫女:あっ…


ハジメ:やはり…この人は天然だぞ!


ハジメ:うまく誘導すれば…聞き出せるかもしれない!


巫女:お腹が痛い…帰ろ!


巫女:じゃーなーハジメ


ハジメ:えっ…そんな…


ハジメ:巫女じゃなくて…悪魔か…


肝心なところで巫女に逃げられたハジメであった。


先程の巫女との会話を思い出していたハジメ。


結局、肝心なことはわからないまま一日が過ぎようとしていた。


・運命への序章


ベッドの上で横になり、巫女からもらった水晶球を眺めるハジメ。


彼と一緒に愛猫のタマが天球を眺めていた。


ハジメ:タマ…俺は一体何を信じればいいんだろうか?


タマ:じぶんみゃ!


ハジメ:前世の俺だったり、教授だったり…


ハジメ:俺は…何人いるんだろうか?


タマ:ひとりみゃ!


ハジメ:全てが夢の話なんだろうね…きっと


タマ:そうみゃ!


ハジメ:俺は…何者なんだろうか…


タマ:ハジメみゃ!


ハジメ:そうだね!俺は俺だね


ハジメ:変なことを言ってごめんよ、タマ


タマ:いいみゃ!


ハジメ:おやすみ、タマ


タマ:おやすみゃ!


ハジメ:……


ハジメ:タマの言葉が…


タマ:スピー…zzz…


ハジメ:俺が…おかしいのか?


疲れ切ったハジメとタマはぐっすりと眠る。


ハジメの傍らにあった天球から静電気のようなオーラが発生した。


彼の運命の扉がゆっくりと開こうとしている。


・運命の導き


ある晴れた日の午後、ハジメは猫のタマを連れて街を歩いていた。


ハジメ:最近、タマの言葉がわかるような気が…


タマ:みゃ?


ハジメ:いろいろとあったし、俺も疲れているんだろう…


ハジメ:これじゃ、黒木さんのこと悪く言えないよ…


タマ:こっちみゃ!


ハジメ:あっタマ!どこ行くんだよ!


突然、タマはどこかへと走り始めた。


ハジメは慌ててタマを追いかける。


タマは古びた喫茶店の前で立ち止まり、前足で扉を開けようとしていた。


タマ:みゃうみゃう!


ハジメ:ちょっ、どうしたんだ?タマ


タマ:ここにいるみゃ!


ハジメ:なんだ…ここは…


ハジメ:この場所は…どこかで…


ふとした瞬間、彼は何かに引き寄せられるように店内に入る。


そこには、どこか懐かしさを感じる雰囲気が漂っていた。


つづく。

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