第14話 謎の老人

■老人の始め


ハジメは夢の中で出会った謎の老人が現実世界でも現れる。


老人は何かを暗示するような言葉を残し、ハジメの混乱と好奇心を一層掻き立てる。


ナビ:突然の老人との出会いに驚くハジメ


・朝の目覚め


今日もまた、ハジメの夢から始まる。


ハジメ:よし!今日も夢の中だな!


ハジメ:これで僕の行動が予測できるぞ!


ハジメ:ん?ここは…どこだ?


ハジメ:どう見ても…現代ぽいな…


デルニ:ここにおったか!ハジメ


ハジメ:わっ!びっくりした…


ハジメ:驚かさないでくださいよ…もう…


デルニ:いや…すまんな…


デルニ:あんまりこの体に慣れてはいないものでな…


デルニ:加減がわからんのだ…


ハジメ:…体?


デルニ:まぁ…よい…


デルニ:ハジメ!今日はお客さんだ…


デルニ:汝に会わせたい者がおる…


ハジメ:僕に…ですか?


デルニ:どうぞ、こちらへ…


謎の老人:よう、ハジメ!


謎の老人:いや…ハジメ君!!


ハジメ:だ…誰ですか?


謎の老人:まぁ、細かいことは気にするな!


謎の老人:少しだけ伝えたいことがあってな


ハジメ:な…なんですか?


ハジメ:なんだ…この元気な爺さんは…


謎の老人:……


謎の老人:まぁ…話せば長くなるから…


謎の老人:どう…するかね…


ハジメ:…話ですか?


ハジメ:この老人は誰なんだ…


デルニ:あの…時間もないので…


デルニ:できれば手短に…


謎の老人:そうか…そうだわな…


謎の老人:んじゃ、ハジメ君!


ハジメ:は…はい!


ハジメ:どこかで見たことあるような…


謎の老人:ワシと握手してくれ!


ハジメ:あ…握手?


謎の老人:まぁ…挨拶だ…


謎の老人:ほれ!


ハジメ:は…はぁ…


ハジメ:よ…よろしくお願いします…


謎の老人:よろしくな!ハジメ君


謎の老人:うむ…


謎の老人:お前もまた…良い魂を持っている…


ハジメ:えっ?た…たま?


デルニ:時間です…行きましょう…


デルニ:それじゃな…ハジメ…


ハジメ:えっ…もう行っちゃうんですか?


謎の老人:また会おう!青年よ!


ハジメ:えっ…まだ…


その言葉を聞くと、老人はハジメの右手を握りしめ、彼の耳元で何かをささやいた。


その瞬間、夢は終わってしまった。


ハジメは昨夜の夢の中で、不思議な老人と出会った。


その老人は、意味深なことを語っていた。


謎の老人:ハジメ君…君に一言伝えておこう


謎の老人:もうすぐ、お前は大切なことに気づく…


ハジメはその言葉が気になりながら、朝の支度をする。


ハジメ:僕が大切なことに気づく…


ハジメ:…か。


ハジメ:今回の夢ではそれだけか…


ハジメ:結局…


ハジメ:あの老人は誰なんだ?


■老人


ナビ:老人のことが気になって仕方がないハジメ


・通学路


学校へ向かう途中、ハジメは夢の中の老人が話していた場所と同じ場所を通り過ぎる。


その場所には、夢で見たのと同じベンチがあった。


ハジメ:ん?ここは…


ハジメ:あれ…ここは昨日通った場所だな…


三毛猫:にゃーおー


ハジメ:やっぱりそうだよな…


ハジメ:昨日のデジャヴを感じた場所だ


三毛猫:にゃーおー


ハジメ:また、この三毛猫がいるのか


ハジメ:ん?待てよ…


ハジメ:このベンチ…どこかで見たような…


ハジメ:ああ!!夢の老人と会った場所か…ここは


三毛猫:にゃーお…にゃーお


ハジメ:まさか、あの老人がここに…?


彼は深く思索する。


三毛猫:にゃーごー


突如、ベンチに駆け上る三毛猫。


ハジメ:…よく見ると目が青いな…この猫


ハジメ:…ブルーアイズか…


ハジメ:…タマの友達になれるかな?


ハジメ:おいで!


三毛猫:……にゃ!


ハジメ:…まっ!しょうがないか!


ハジメはベンチに座る三毛猫に手を差し出した。


人間に慣れていないのか、三毛猫は走って逃げてしまった。


・学校での出来事


授業中もハジメは老人のことが頭から離れない。


授業が終わった後、友人の遠藤に夢の内容を話す。


ハジメ:遠藤…聞いてくれ…


遠藤:なんだ?どうした?


ハジメ:遠藤…昨日の夢で出会った老人が…


ハジメ:気になって仕方ないんだ


遠藤:夢の老人か?


遠藤:それがどうした?


ハジメ:最初はそうでもなかったが…


ハジメ:だんだん不安になってきて…


ハジメ:誰かわからないから余計に気になっているんだ


ハジメは浮かない顔で伝えた。


遠藤:そりゃ~夢だろ?


遠藤:老人のひとりやふたり出てきてもおかしくはないだろ?


遠藤:なんでそんなことが気になるんだ?


ハジメ:そうなんだけども…


ハジメ:僕の夢に出てきたということは…


ハジメ:僕のこの現実にも現れるんじゃないかと思って…


遠藤:なるほどな…それは…


遠藤:夢と現実がリンクしてるってことか?


遠藤:それはただの偶然じゃないのか?


遠藤も気遣いながら答えた。


ハジメ:そりゃ…偶然であってほしいけど…


ハジメ:予知じゃないけどさ…


ハジメ:なんとなくわかるんだ…


ハジメ:偶然なんかじゃないんだ


ハジメ:おそらく今日…僕はあの老人と出会う…


硬い表情で話すハジメ。


遠藤:そっか…


遠藤:こりゃ…相当参ってるな…


遠藤:まぁ、あんま気にすんな!


遠藤は彼の肩をポンポンと二度叩いた。


ハジメ:ごめんな…遠藤…


表情が乏しくなるハジメをみた遠藤。


彼女もだいぶ彼のことが心配になってきた。


・図書館での調査


放課後、ハジメは図書館で再び輪廻転生に関する本を探す。


老人の言葉の意味を解明しようとするが、具体的な答えは見つからない。


ハジメ:何か有益な情報はないのか?


ハジメ:なんでもいい、些細なことでもいい…


輪廻転生の本をめくるハジメ。


老人の言った言葉が頭から離れない。


ハジメ:大切なことって…


ハジメ:いっぱいあり過ぎて何が何だか…


ハジメ:僕自身のことなのか?それとも過去の話なのか?


ハジメ:それとも家族…誰かのことなのか…


ハジメ:ダメだ…全く見えてこない…


ハジメ:もっと具体的な明確な答えがほしい


ハジメ:…輪廻転生の本を読んでも頭に入ってこない…


ハジメ:……


ハジメ:…帰ろう…


ハジメは本を閉じ天井を見上げた。


ハジメ:結局のところ…


ハジメ:大切なことに気づくって…


ハジメ:どういうことなんだ?


彼の表情は緊張に包まれていく。


つづく。

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