第7話 招かれる客。
カニ生活7日目――――――――
〈状態〉
〈名前〉 蟹江静香
HP 30/30
MP 14/14
筋力 11
頑強 7
素早さ 10
器用さ 7
知能 11
幸運 9
〈
〈攻撃系
〈装備〉草と獣の鎧+1(防御力+2)
――――――――――――――――
蟹江静香は、改良を加えた草と獣の鎧の具合を確かめる為、探索へと出かけた。
【トピックス】――――――――
熱帯雨林での天気の種類は晴れ、曇り、雨とあるが、雷が鳴り、スコールが起こる事もある。天気によって、
――――――――――――――――
――熱帯雨林
【マスク判定】曇っている。
探索判定【4】【1】 新たな敵に遭遇した!
新たな敵を発見したが、いつもとは様子が違うようだ。
【マスク判定】【マスク判定】【マスク判定】
小さい虫と、迫力のある大きい鳥が対峙している。体格に差があり過ぎて、これはもう食事の様なものだ。この状況を見て、蟹江静香は傍観を決めこんだ。
『この場合、漁夫の利を狙うのが妥当と言えるでしょう』
「その通り。あの虫が何をできるかは分からないけど、多少ダメージでも与えてくれたら、楽できるかもしれない。頑張れ虫……! 余りにも強い様なら逃げよう」
イニシアティブ判定【マスク判定】【マスク判定】
巨大な鳥の先制攻撃。成功判定【マスク判定】【マスク判定】成功。
ダメージ判定【マスク判定】【マスク判定】
かなりのダメージが小さな虫に与えられた。
小さな虫の攻撃。成功判定【マスク判定】【マスク判定】成功。
ダメージ判定【マスク判定】【マスク判定】成功。
なんと、小さな虫が巨大な鳥に対して、驚異的なダメージを与えた。まるで奇跡でも見ているかの様である。その華麗な体当たりは、鳥の急所目掛けて一直線。相手の内臓を抉り取る勢いの一撃が繰り出される。
巨大な鳥の攻撃。成功判定【マスク判定】【マスク判定】成功。
ダメージ判定【マスク判定】【マスク判定】成功。
小さな虫は倒された。
「今こそ好機!」
不意打ち判定【マスク判定】失敗。 登場が派手だったため、存在がバレた。
蟹江静香は絶好のチャンスを逃してしまった。戦いの最中に乱入が行われたので、素早さによる先行の取り合いが起こる。
イニシアティブ判定【マスク判定】【マスク判定】失敗。
素早さ勝負は巨大な鳥に軍配が上がった。
巨大な鳥の先制攻撃。成功判定【マスク判定】【マスク判定】成功。
「HPで受ける!」
ダメージ判定【マスク判定】【マスク判定】
嘴攻撃。蟹江静香の体力が半分近く削られた。
「草と獣の鎧を強化してもこのダメージとか、頭おかしいだろ!」
蟹江静香の攻撃。成功判定【1】【2】成功。
「あぶねー! ここで大失敗したら終わりだよ‼」
ダメージ判定【マスク判定】【マスク判定】成功。
敵の回避なし!【ダメージ判定】【2】【5】
【部位破壊判定】【マスク判定】失敗。追加ダメージなし。
部位破壊は不発に終わったが、カニの鋏が万力の様な力で、巨大な鳥を捻り上げた。この攻撃によって、鳥は地に落ちた。致命的な一撃を受け、もうその翼は、羽ばたくことは無いだろう。巨大な鳥を討伐した!
――――――――戦闘終了。
「いやったああああああ! 勝てたぁあああああ!」
『マジレスするんですけど、あの虫が大ダメージ与えてなかったら、普通に負けてましたね。一番驚いているのは恐らく、運命の神ですよ』
「本当にそのとおりだから文句も言えねぇ! 虫さんマジで感謝!」
報酬――――――――
経験値+200
大きな鳥の羽
――――――――入手。
『残念ながら、今回はレベルアップしませんでしたね』
「まぁ、仕方ないね。上がったばかりだし、強敵だったから個人的にはレベルアップしたかったけど、贅沢は言うまい。それよりも捕食タイムじゃーい! まずは虫さんから、いただきまーす!」
『
【5】【6】【4】
『――頑強が4増加しました』
「初めて3以上増加した! やった! 続けて鳥さん! いただきまーす!」
『
【3】【1】【4】
『――適合しませんでした』
「なんでじゃああああああああ! めちゃくちゃ強そうな敵食べてんのに! なんでじゃあああああ!」
『気持ちはお察しします。戦闘後の高揚感に対して、この仕打ち。私もかなりショックです』
「うおおお……。一気に辛くなってきた、早く帰って蜂蜜舐めたい……」
帰還判定【マスク判定】――成功。
【トピックス】――――――――
戦闘によって得られる経験値は、命を脅かした者だけが得られる。責任を取らずに利益を得る事は、この世界が許さない。
――――――――――――――――
大木の洞――
「今回は探索を1回で切り上げたから、まだ時間的に余裕があるぞ」
『
〈状態〉
〈名前〉 蟹江静香
HP 16/30
MP 14/14
筋力 11
頑強 11
素早さ 10
器用さ 7
知能 11
幸運 9
〈
〈攻撃系
〈装備〉草と獣の鎧+1(防御力+2)
――――――――――――――――
「ちょっと待って、あの一撃で14も喰らってるの⁉」
『本当に強敵でした。虫の助けがなかったらと思うと』
「なんであんなに強いんだよ……。勘弁してくれよ。如何に
『蟹江さん、蜂蜜舐めましょう。気分も上がるでしょうから』
「ちゅるちゅる……。残り時間は特訓に費やそうかな……。
『練習用の人形がまだ使えますので、訓練にどうぞ』
「うぉおおぉ! デスクローになれ! デスクローになれ!」
『その、デスクローってなんですか?』
「確率で、相手のHPを一桁にして、麻痺させる技」
『それは流石に……』
蟹江静香は、
攻撃
「これはどういう計算になるの? そもそも2D6もスルーしてたけど」
『【千切る】のダメージが、基本ダメージ+【2D6+1】になりましたね。つまりこれは、筋力値+【6面ダイスを2個振った時の値】と固定値1の総数が相手に与えるダメージになる。ということですね』
「そうか、テレビゲームだと自動処理されてるから分からなかったけど、これで乱数を出していくんだ」
『この世界のルールが、ゲームに則って作られていますからね。この固定値を強くしていけば、運の要素を極力なくすことが出来ます』
「固定の攻撃力欲しい~! 毎回ドキドキしながら攻撃するのやだ~!」
『気持ちは分かるんですけど、それだと閲覧の神々も盛り上がりに欠けると……』
「どうせ私の生き死になんて誰も見てないでしょ」
『まぁ、閲覧も増えていませんし、恩恵も未だ1件ですからね』
「うぉー! 閲覧の神々! 私を助けてくれー!」
蟹江静香が嘆いていると、大木の洞に思わぬ来訪者が現れる。
『わぁ、こんなところにカニさんが住んでる! ちょっとおじゃまするね~』
見知らぬ小さな存在が、大木の洞にやってきた。その佇まいは、存在が危うく、半分透けているように見える。
『ふむ、どうやら妖精の様ですね。会話が出来るみたいです』
「妖精のいる世界観なんだ……。勝手に住み着かれたら困るんですけど……」
蟹江静香の様子を察したのか、妖精は彼女に近づいて来た。
『なぁに、別にタダで場所を貸してくれとは言わないさ。今しがた、とても大きな生物に追われていてね。それが諦めるまで置いてほしいんだ。僕に出来る礼ならなんでもするよ? って言ってもカニ相手には通じないか! あはは!』
「妖精って魔法つかえる?」
『うわっ……! このカニ、人間の魂が入ってる……!』
「うわっとか言うなよ、傷つくだろ、私の中の乙女が」
『言語形態が合わないみたいだね。念話を教えてあげるよ』
「やったぜ!」
蟹江静香は
【念話】――説明。
対象者の脳内に、直接言葉を送り込む魔法の一種。言語形態が合わなくても意思疎通が可能となる。両者が使えると、互いの負担が減るが、習得していない者に対して、一方的に送り付けると、相手の脳に負荷が掛かる為、推奨されない。話している間は継続でMPを消費する。
――――――――説明終了。
『念話ってこんな感じでいいのかな?』
『おぉ~! すぐに使いこなしてる! 頭いいカニだなぁ』
『お察しの通り、人間の魂と記憶を持っているので』
『へぇ~! 最近は動物に人間の魂と記憶を入れるのが流行ってるのかな』
『全然流行ってないよ。魔人に呪いを掛けられたんだ』
『じゃあ、この前見た蛇みたいな子も呪いだったのかなぁ』
『会ったの⁉ 魂が人間の動物に⁉ 私の大事な生徒かもしれない! 場所を教えて! 保護しないと!』
『じゃあ、僕をしばらくここにおいておくれよ』
『いいよ! 空いてるスペースを使って! で、その蛇の場所は⁉』
『ここから東にある大岩の陰に住んでたよ。そこでしばらく厄介になってたんだ。その子にも念話を教えてあげたんだよね』
『そうなの⁉ ありがとう! よかったー! まだ1人も見つかってなかったんだよ! よかった! 本当によかった!』
『なんか話しやすい子だったなぁ。あっ、この蜂蜜の隣に失礼するね。ちょっと食べてもいい?』
『たくさんあるからいいよ。食い尽くさない程度にね』
『わーい! これで妖精の薬が作れるぞー!』
その後、蟹江静香は妖精との交流を重ねた。情報の交換を行い、妖精がかなり有用な相手であった。彼は魔法を使いこなし、薬学にも精通していた。蟹江静香は妖精を言葉巧みに勧誘し、しばらくの間、大木の洞を拠点に活動する事になった。
【ルール】――――――――
協力、敵対は自由に行うことが可能である。
――――――――――――――――
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