第12話 緊急戦闘・帰還

 3日後、もうすぐエルステスにつくというところまで来たところで、ウルトラハイパードライブをハイパードライブに切り替え、しばらくして、すぐに

『まもなくエルステスにつきます。準備をしてください。』

と聞こえてきたので、席について操縦桿を握った。そして、ハイパードライブを解除させると、目の前で戦闘が繰り広げられていたので、戦闘速度を維持したまま、スキャンをかけた。

すると、キリアキアの残党と思われる大型戦艦と、アイリーンさんの艦が戦闘中だったので、一気に加速しながら、6門の中性子砲を束ねた収束中性子砲を敵艦に向けて、

「アイリーンさん!!アイロースです!帰ってきました!!特別な攻撃を撃つのですぐに離れてください!!」

『えっ!?アイロース君⁉早かったわね。離れてってそんなに危ないの?』

「ええ、爆発に巻き込まれちゃかなわないでしょう?」

『わかったわ。』

と言って、急速に離れていったので、一気にその上を通過しながら増幅させた収束中性子砲のトリガーを引いた。そして、爆発したのを見届けながら、撃った反動を利用して、一気に離れた。そして、アイリーンさんの艦と合流した。

 戦闘が終わると、アイリーンさんが、

『アイロース君、それにしても早かったわね。まだ9日も経ってないわよ?』

と言ってきたので、とりあえず、

「ああ、予定外に一人こっちの侵攻に来ていたみたいで暗殺する手間がいらなかったんですよ。まぁ、基地はすべて破壊してきたんですけどね。」

というと、

『基地まで破壊してきたの⁉仕事が早いわね。じゃぁ、一旦宇宙港に艦を入れに戻りましょうか。それにしても、さっきの砲撃はものすごかったわね。あの機能、集団戦では使えないわね。』

と言われたので、

「そうですよね?あれ、前の戦争のときに使わなくてよかったです。」

と返事して、宇宙港に戻ったのだった。

 宇宙港に戻り、艦から出ると、隣に艦を止めたアイリーンさんがこちらに来ながら、

「このまますぐ王城に行く?それとも探索者ギルドに寄る?どうする?」

と聞いてきたので、

「とりあえず、探索者ギルドに帰ってきた報告に行って、そのあと、王城に行きますか。」

と言いつつ、宇宙港の外に向かい、探索者ギルドに向かった。探索者ギルドにつくと、開口一番、

「ただいま帰還しました、アイロースです!!地球にあるキリアキアの基地をすべて破壊してきました!!」

と言うと、

「やった~ やっと解放される!!あの泥臭い戦争から!!」

と言った途端、

「もしかしたら終わらないかもしれないわよ?」

と、ギルドマスターのリーンさんが言ったのだった。そして、横でアイリーンさんが苦虫を嚙み潰したような顔をしているのを見ながら、

「そうなんですか?なんで?」

と訊くと、リーンさんが

「その話は王城のほうでさせてもらうわ。とりあえず、王城に行きましょう。」

と言いつつ、こちらに来、

「行くわよ。」

と言って、全員で王城のほうへと向かったのだった。

 王城につくと、リーンさんが、

「こっち、謁見室に行くわよ。」

と言って、手を引っ張ろうとしてきたので、

「手を引っ張ろうとしないでくださいよ。ただでさえも疲れているんですから。」

と言うと、

「あ、ごめんなさい。つい。」

と言われて、内心でため息をつきながら、

「いいですよ。わかってもらえれば。」

と返しているうちに、謁見室についた。そして、リーンさんが、

「リーン・ホワイト、地球から帰ってきたアイロース・リベラルを連れてただいま来ました。入ってよろしいでしょうか?」

と言い、

「入れ」

という言葉を聞くや、

「では、失礼します。」

と言って、謁見室に入った。そして、国王が、

「よく無事で帰ってきてくれた。これからする話は内密にな。お前が公爵だからこそできる話だからな。」

と言われて、

「ほかの方たちもいても大丈夫なのですか?」

と訊くと、

「立場が立場だしな。それと…アイシス、入りなさい。」

と言われて、後ろを見ると、やはり、あの時助けた女性が立っていた。

 その後、アイシスさんも交えて、

「地球だけじゃなく、この銀河の各地にキリアキアの基地はあると見たほうがいい。なぜか、それは、君も見たとは思うが、各地からこのエルステスに向けて艦艇が散発的にではあるが、来てこちらに向かう艦を攻撃しているんだ。だから、ここに向かう船の保護をしながら、キリアキアの基地を探してくれ。それと、この場にいるものは全員、彼の船でそれを手伝ってやってくれ。」

「えっ!?」

と僕。

「わかりました。」

と他のみんなが言って、全員が嬉しそうに微笑んでいたのだった。

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