第2話 惑星 エルステス

 惑星、エルステス、それはデフテロス星系、第4惑星であり、銀河系の地球と反対に位置する端に最も近い探索者ギルドを有する星だった。それはつまり、銀河系の1番端に位置する恒星系、エナンシオン星系第3惑星、エルフセリアから最も近い探索者ギルドのある惑星、ということだった。そんな惑星に僕は向かっているのだが、そこにつくまで、ハイパードライブでも少なくとも2日はかかるので、その間、自動運転に任せて、のんびりと過ごしていた。ハイパードライブ開始から2日経った頃、ブー ブー ブー ブーっと警報音が鳴り響き、機器から、

「緊急通信が着信中。緊急通信が着信中。つなぎますか?」

という音声が聞こえたので、

「つないでくれ」

というと、正面左のモニターに、将校と思しき女性が写り、

「こちら、エルステス帝国少佐、アイリーン・エヴァンス、ただいまキリアキア艦艇と交戦中、至急、救援を頼む。繰り返す。こちら、エルステス帝国少佐、アイリーン・エヴァンス、ただいまキリアキア艦艇と交戦中、至急、救援を頼む。」

となっていたので、

「ハイパードライブ解除!!それとともに艦艇を戦闘速度で運行!!相手の艦艇をスキャン!!艦種を識別!!」

と言って、実行させると、その艦艇は直上方向が死角である、アンドロメダ級j巡洋艦、ドヴェイン、5隻だったので、こちらの速度と小回りの速さを生かして、後ろから直上方向へ一気に加速しながら、主砲の、荷電粒子砲5門すべてを手前にいた2隻の艦艇のうち、こちらから見て右側の艦艇に斉射した。すると、その1撃だけで、木っ端微塵に吹き飛んだので、あとは作業だった。そして、掃討し終えると、エヴァンス少佐が、

「救援助かった。ありがとう。しかし、見慣れない船だな。」

と言われ、僕は、

「15歳になったので、昔、師匠からもらった船で探索者ギルドに登録しようと出てきたんです。それと、キリアキアに殺された師匠の敵を討つためにも星を出てきたんです。いきなり目当ての組織の船に出会えるとは思っていませんでしたけど。」

「そうだったのか… 悪いことを聞いてしまったな。すまない。」

「いえ、気にしないでください。あ、そうだ!!戦利品、もらっていいですかね?少しでもお金はあったほうがいいですし。」

「ああ、いいぞ。助かった。じゃぁ、宇宙港まで案内するよ。」

「ありがとうございます。」

と言って、回収だけ終わらせて、宇宙港に向かった。

 宇宙港に着くと、アイリーンさんが、

「こちら、アイリーン・エヴァンス少佐。ただいま帰還完了。キリアキアとの戦闘に助太刀してくれた探索者ギルドに登録したいという少年をつれている。後ろから付いてきている船に乗っている。着艦許可を。」

「スキャン完了。着艦OKです。後ろの船、キャプテン名、船の名前は?」

「アイロース、クリロン号です。」

「OK。エンピステーヴェのものだった船ですね。着艦してから話を聞きたい。いいか?」

「もちろんです。」

「着艦を許可します。着艦次第、外に出てください。」

「了解しました。では着艦します。」

と言って、着艦した。そして、着艦が終わると、コックピットから出、船の生態認証式の自動ドアをくぐって外に出た。すると、先ほど応対してくれた人がこちらに近づいてきた。そして、手招きしながら、

「事務室に来てくれ。案内するよ。」

と言ったので、黙ってついて行った。そして、事務室につくと、応対してくれた人が、

「そういえばまだ名乗ってなかったね。私は、アイリス・イーシス。エンピステーヴェと親しくしていたんだ。それで、あいつはどうした?」

「それが・・・ 僕を狙ってきたキリアキアの暗殺者との交戦中に死にました。すいません。」

「いや、謝らなくていいぞ。あいつ、言った通りになっちまったのか。まぁ、君を守って死んだんだから、本望だったと思うぞ。」

「そうなんですか?」

「ああ、そうさ。あいつ、何があったとしても君だけは守るっていってたしな。」

「どういうことですか?まさか、僕がキリアキアに狙われているって知っていて僕のところに着たんですか?」

「そうだよ。彼が死んだら話すように言われていてね。やっぱりあいつ、言わなかったんだな。」

「そ、そうなんですか。知らなかったです。」

「じゃぁ、話は聞けたし良かった。準備が終わったらもう一度ここに着て。探索者ギルドまで案内するよ。」

「ハイ、ありがとうございます!では、行ってきます。」

と言って、船に戻った。

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