第8章 禁書庫へ

城の会議室でエレナ、リリスの2人と別れたあと、エリオットと共に状況を整理してみた。

エリオットからメモがわたされて

『気が付いたことがあるので、メモでやり取りするけど、しゃべらないと不自然だから、それと開発中の仕様の中で、会話LOGの閲覧みたい機能を目次で見たことがある、映像、音声を全て残すのはストレージ容量が馬鹿にならないから会話LOGを残せる様にしたんだと思う、会話の内容は注意が必要だね』


アリシアはそれを読み終わったあと、「エリオット、エレンとリリスが2回のループを忘れてしまったの凄くショックだった、少し調べてみたいから協力してくれる?」

『了解、なるべく自然に会話LOGに気が付いていない様に気を付けますね、ありがとう』


「そうだね、禁書庫にある資料の中にあるかもしれないから、調べてもらえると助かる。」


「わかったわ、明日、お兄様に相談してみるね」

『禁書庫にサルベージってタイトルの資料を見た気がするの、まずそれを探してみます。』


「了解、今日は屋敷に帰って少し調べていことがあるから、僕もこれで失礼するよ」

『ぼろが出ない様に本当に帰るね、禁書庫の件はよろしくね』


「じゃ、エリオット、禁書庫の件が進展があったら報告するね」

『よろしく』


会議室を出たアリシアは会議室の前で控えていたフェリシアに伝えた。

「フェリシア、明日お兄様に謁見したいの手配してくれる、時間はお兄様の空いている時間に合わせるわ、要件はまた禁書庫に入りたいのでお力をお貸し願いたいと伝えて」


「承知いたしました。その様に手配いたします。このあとはどうなされますか?」


「一度、部屋に戻るわ」


「かしこまりました。皇太子殿下との謁見の件は後程、ご報告に伺います。」


「よろしくね」


自室のソファでくつろいでいると、ノックの音が聞こえ

「アリシア王女殿下、フェリシアでございます。先ほどの件、ご報告に上がりました。」


「どうぞ」


「失礼いたします。これを皇太子殿下より預かりました、扉の外にはジャスティン様が控えていますので、前回と同様に報告があれば自由にしてよいと仰せつかりました。」


「それはありがたいわ、ジャスティンに申し訳ないから早速これから禁書庫に向かいましょう、支度してくれる」


「かしこまりました。」


「そうね少し動きやすい洋服にしてもれないかしら」


「それでは乗馬用のこの服にお着替えください」


「それでは早速行きましょう」


アリシアはフェリシアとジャスティンを連れて王室図書館の中にある禁書庫を訪れた。

地下階段を降り、扉の前で待つように2人に伝え禁書庫に入った。


「確かこの辺にあったはず、基本操作、アイテム錬成」


アリシアは、探している資料のタイトルがサルベージだと気づかれない様に関係ない本の名前を口にした。

そして、サルベージの資料を探し当てた。

禁書を書庫の外に持ち出すことはできないので、ここで閲覧するしかない。

バックアップストレージ、記憶データ、リストア方法、この辺のタイトルが関連しそうだ。


バックアップストレージ

 概要:記憶データを保管するためのストレージ

 アクセス方法

  コンソール端末からメンテナンス専用コマンドでアクセスする。


記憶データ

 概要:記憶に対して一部消去が行われた際にその消去データの範囲全体を保存しておくデータ

 この記憶データは事前の設定なしに消去操作が行われた場合に自動で保存される

アクセス方法

 コンソール端末からメンテナンス専用コマンドでアクセスする。

 

リストア方法

 概要:記憶データをリストアする。

 リストア方法

  コンソール端末からメンテナンス専用コマンドでアクセスする。


この情報があればよさそう、エレン達の記憶は取り戻せそう。

あとは、時の番人の部屋以外にコンソール端末がある所についての情報よね

一旦、戻ってエリオットに報告ね


アリシアは、フェリシアとジャスティンが待っている場所に戻り、彼らに感謝の言葉を伝えた。

「ジャスティン、これが今回閲覧した資料の一覧と内容のメモよ詳しい説明が聞きたければ改めて伺うのでよろしくと伝えてほしいの」


「かしこまりました。その様にお伝えします。」


「ありがとう、ジャスティン助かったわ」


アリシアは自室に戻り、エリオットに手に入れた情報を伝えるために手紙を書いた。手紙には、禁書庫で見つけた記憶データのリストア方法と、コンソール端末のアクセス方法が詳細に記されていた。


翌日、エリオットがアリシアの部屋を訪れた。

「おはよう、アリシア、今日は城下に降りて街を散策してみないかい?」そう言って手紙を差し出した。

『手紙は読んだよ、リストアの方法、詳細に調べられたね。君が時の番人の部屋で見た端末はコンソールで間違いないけど他にもそういった部屋がないとは言えないしね、例えばエルフ国の王城とか、それで提案だけど王城ばかりでは息も詰まってしまうだろうから、たまには城下を散策してみない』


「そうね、それも良いわね、直ぐに支度をするので部屋の外で待っていてくれる」


「了解」


「フェリシア、エリオットと街に出かけるので準備を手伝ってくれるかしら」


「かしこまりました。お嬢様」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る