第6章 拓哉と美紀
ルビクス伯爵邸のエリオットの寝室でエリオットは20日ぶりに目を覚ました。
既にエリオットの両親は退出し、アリシアとエレン、リリスそれに召使達が数名残っていた。
アリシアは召使達に退室を促した。
「アリシア、そちらの方々は確かエルフの」
「エリオット驚かないで聞いて、そう彼女たちは学園で出会うことになるはずだった、エレンとリリスよ、2人共こちらに来て」
エレンとリリスはベットに歩み寄り挨拶しながら「お久しぶりです。エリオット様、エレンです。」
「お久しぶりです。エリオット様」リリスが続けた。
「お久ぶりです。お力添えいただきありがとうございます。2人には感謝しています。本当にありがとう」
アリシアはエリオットを見つめながらことの経緯を説明した。
「エルフ族は全員、リヴァニア王国崩壊の記憶を持っているのか、まあ考えられないことではないと思う」生まれてから、王女や貴族として育てられた2人は、アリシアでありエリオットなのだ。こう言う、この世界感とことなる事象に対峙する時、2人はこの世界がゲーム世界だと思い出す瞬間だった。
2回のループの原因の調査の話は後日、改めてということになり、2人は国に帰ることになった。
「では、私とリリスはここで失礼しますね。」
「エレン、リリス、本当に助かったわ、あなた方がいなければエリオットを助けることができなかったと思う。ちょっと待っててね」
アリシアは寝室のドアを開け、控えていたフェリシアに声をかけた。
「フェリシア、エレンとリリスをエルフの国まで送る様に手配してくれる。」
フェリシアは会釈をしながら返事した。「すでに馬車を玄関に待たせていおりますので、2人をお連れください」アリシアは頷く
「エレン、リリス、こちらへ、フェリシアあとはお願いね」
「エレン様、リリス様、こちらへご案内します。」
「アリシア様、エリオット様、お大事になさってください、ごきげんよう」と言いながら2人は寝室を後にした。
アリシアはエリオットと2人きりになったことを確認し「エリオット、一つ確認したいことがあるのだけど、あなたがこのゲームシステムの開発に関わっていたって本当なの?」
「実はそうなんだ、特定のプレイヤーに対して開発に関わる者が素性を明かしてそのプレイヤーを有利にしてしまう行為は避けたいって思ったけど、僕、個人の夢が異世界への転生だったから、ゲームの没入感、異世界感を楽しんでしまった。運営サイドとしてトライアルに参加したわけではなく、純粋に自分が叶えたかったこの世界で生きてみたいその思いではじめたから、ごめん」そうだったのね
私も阿久津さんからまた異世界に行けるよって今度は自由に行ったり来たりできるんだって言われて、それで阿久津さんには内緒でトライアル申し込んだんだよね
私が新しい物語書いたらその物語で一緒に異世界ライフを楽しもうって言ってたっけ
「今、現実にこのゲームから抜けられな状況の中で一番関わりの深い君には、開発関係者として知りえる情報は共有すべきと考えている。」
「ありがとう、実は私も知り合いがどうしようもない異世界オタクで、それじゃ早速だけど今までの状況を整理してみましょう」
この世界では17年を2回と10年が経過している現実と同じ時間経過なら44年間このゲームをしていることになる。
寿命に達する年齢ではないけど、何も食べていないと考えると衰弱死しいていてもおかしくない。
そうすると、自分も自我を持った記憶の塊で実はコンピューターの記憶の中だけに存在しているのかもしれない。
「ねえ、聞いていい? 私たちって本当にトライアルを始めたプレヤーだったのかなあ、現実に帰ることができるの? ごめんなさい、こんなこと」
「いや、こちらこそごめん、もともと、本当に異世界に転生したと錯覚してしまう様にゲームを構成しているから、兎に角、メニュー操作やステータス画面の表示はプレイヤーからことごとく隠しているんだ。」
「じゃ、あなたはそのメニューの出し方を知っているのね」
「そのはずたっだのだけど、出てこなくなってしまってるんだよ、ちょうど、意識を失ってしまったのはその方法を思い出しかけて、試しにやってみようとした時だったんだ」
「えっそれって、誰かに行動を監視されている」アリシアは困惑の表情で答えた。
「それはないと思うのだけど、メニュー操作をトリガーにして状態異常になる様にしてあるっぽい、でなければ、状態異常解除ポーションで状態異常が解除されないと思うから」
「ああそれと、2人の時は拓哉って呼んでくれるとありがたい、異世界没入はある程度満喫できたから、ループを止めて、現実世界に戻りましょう? なんて呼べばよいかな」
「そういうことなら、私のことは美紀って呼んで一応仮名ね!」
「じゃ2人の時はその呼び方で」
「まずは、やっぱり時の番人に会う必要がありそうね、あいつ、あなたを連れてくればループ解除条件のヒントをくれるっていってたから、でもあなたを、禁書庫まで連れて行くのは難しそう、なんか設定とかないの?私があなたと婚約するとか?」
「うーん、それは可能性があるのでやってみますか?」
「今回、アリシアがエリオットを助ける為に奔走して、無事に意識を取り戻した。それだけアリシアがエリオットを慕っていると両家が感じていれば、ルビクス伯爵家から婚約を申し込めば王家も受けてくれるかもしれない」
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