第2章 ループ?2回目の人生と崩壊の検証

目を開けると目はぼやけていた「オギャー、オギャー」自分の泣いている声が聞こえる。「お妃さま、おめでとうございます。元気な女の子でございます陛下とお妃さま似ておられて大変凛々しく有らせられますよ」

「ああ、フェリシア、我が子の顔をよく見せて頂戴」

えっ私リセットした? ゲームのスタート時点に戻っていた。そしてゲームから抜け出し現実に戻ることはできていない。


この時、また、自分がプレイヤーだったことを自覚する。えっえっえっー、エリオットのプレイヤーは?どうなったの?リセットって自分の環境だけ?

と悩んで悩んでまた、屈辱の5年間を過ごすし5歳を迎えると、無事エリオットと会えることができた。


エリオットに確認したところ私の誕生パーティで爆発に巻き込まれて私と同じようにやり直しになっと確認することができた。

私とエリオットはゲーム開始からアリシアの17歳の誕生パーティまでの行動を振り返ってみることにした。


「エレンとリリスに出会って仲良くなるのは学園に入ってからだったよね」

「そうだね、メニューもステータスも開かなくて赤ん坊から育てられたからエリオットになりきれたんだと思う、いまはエリオットとして生活した17年間があって、エリオットでいる自分に違和感を感じなくなっちゃたよ」

「私もそう、もうアリシアでしかない、アリシアになりきれるていうかアリシアだし、私」

「私はあの爆発で全て吹っ飛んだ時にゲームオーバーのメッセージを見ていないの、エリオットは見た?」

「いいや、僕も見ていないよ」

「そうなんだ、爆発したボルトの行動に不自然な点はなかったのよね、あれだけ大きな爆発を起こすなら大量の爆発物をもっているはずだし態度も自然だった。」

5歳児の会話とは思えない

2人は崩壊の検証をしつつ、アリシア、エリオットとしての生活に戻ることにした。そして前回と同様にプレイヤーとしての記憶が前世の記憶のように感じるようになり、王女、侯爵子息としての振る舞いが板についてきたころ2人は16歳になり学園に入学した。


前回同様、入学式の後、祝辞をほめてくれたエレンとは友達になれた、そしてリリスともエレンやリリスに念のため、王国崩壊の過去のことを聞いてみたが何のことかわからない様子だった。

崩壊前の記憶はないのね。しかし、今回は念のためボルトとは交流を持たない選択肢を選んだ。

剣術コースでボルトとの組み合わせを避け、その代わりにエルフ族のグレイと訓練するようにした。


エリオットが侯爵令息のくせに人当たりがよく、誰にでも公平な好青年に成長していくのでグレイもエリオットと親交が深く親友と呼べる存在となっていた。

アリシアは多少警戒心もあったが、やはり前回と同じく5人で行動することになった。


そしてエルフ族であるグレイは同じ種族のリリスともより親しくなり彼らがたまに2人でデートする光景も目にするようになっていた。


アリシアは実感していた、もうこれ完全な異世界ライフじゃない私の書いた物語の世界じゃないけどまさに異世界で生活している。そう思うと改めて自分がゲームのプレイヤーだったと自覚できる。

メニューがないし、スキルも呪文も魔力も感じないけど、「私の名前、リーシェだったら雰囲気でてたのに」そう独り言ちた。


そして、アリシアの17歳の誕生日が再び訪れた。前回と同じような爆発による崩壊を避けるため、誕生パーティの日にちを一日ずらした。しかし、予想外の事態が起こった。


誕生日当日、突然空が暗くなり、魔王の軍団が上空から現れた。巨大なドラゴンや悪魔たちがリヴァニア王国を襲撃し、王国は再び崩壊の危機に瀕する。


「何が起こっているの?」アリシアは驚きと恐怖で声を上げた。このゲームの世界では魔王は過去の伝説に過ぎないし、この国に魔王の軍団に対処可能な武力もない。

ドラゴンのブレス、魔族たちの魔法による攻撃で城は瞬く間に崩れ落ち、逃げ惑うそばから大きながれきの下敷きとなり屍となり果てている。


「アリシア、逃げるんだ!」エリオットはアリシアの手を引いて、避難を試みる。しかし、魔王の軍団の圧倒的な力により、アリシアとエリオットもドラゴンのブレスによって消滅した。王国は再び崩壊してしまった。


目を開けると目はぼやけていた「オギャー、オギャー」自分の泣いている声が聞こえる。「お妃さま、おめでとうございます。元気な女の子でございます陛下とお妃さま似ておられて大変凛々しく有らせられますよ」

「ああ、フェリシア、我が子の顔をよく見せて頂戴」また、スタート時点に戻った、そしてゲームから抜け出し現実に戻ることはできていない。


まずは5歳でエリオットと会うまでの辛抱ね

これは、間違いなく意図的なループ状態が作られていると思ってよい、あとはエリオットとあったときにこの話をして認識をあわせてないと。


そしてアリシアは屈辱の5年の歳月を過ごし、再びエリオットと再会果たした。「あなたと会えたことがこんなにうれしいなんて、あの時は守ってくれてありがとう」

「でも、僕は君を救うことができなかった。ごめん」

「いいえ、誤ることないよ、あれはどうしようもないよ、あれ絶対助からないもん、私の小説だってあそこまでひどい展開はないよ」

「えっアリシアさんのプレイヤーさんって、小説書いている人?」

「うん、ペンネームは言えないけどそうなんだ、だから崩壊ってゲームの中に仕組まれた設定なんじゃないかって思う。これが正規のイベントシナリオだったら本当にくそげーだけどね」

「うっ心が痛い、このフルダイブで現実世界から異世界に転生する様なゲームシステム考えたの実は僕なんです。こんな変なループを組み込んだ覚えはないのだけれど、大好きな作家さんがいてその人の異世界転生にあこがれて作ったんだ」

アリシアはこの人を知っているかもしれないと思った。高校2年生の夏にそんな構想を2人で話し合った。


「とにかく、このループを終わらせることを考えましょ、エリオット協力してくれる。」

「もちろん、僕は君の許嫁だよ、まずはループそして一緒にこのゲームから抜け出そう」

王族の許嫁であるエリオットと3回目の人生を異世界で歩むことになってしまった。でも、彼があの人ならうれしい、一緒でも苦にならない。


「で、エリオットの意見を聞きたいのだけど、どう?」

「うーん、僕の好きな作家さんは異世界転生は書いていたけどループものは書いていないから、でも僕ものこのゲームの開発にかかわっていたからいろいろ独自に調べてはいたんだけど、あっそういえば城の図書室に禁書庫を作ってそこにいろんな資料を閲覧できるようにしてたんだよね」

「お城の禁書庫か、あそこはお兄様とお父様しか入れないのよね」

「ああ、そんな設定だったんだ、まずは禁書庫で何か手掛かりになる資料を探してみようよ」

「了解、お父様に禁書庫に入れるようにお願いしてみるね」


その日、アリシアは国王の執務室を訪ねた。

「お父様、お願いがあります。」

「なんだね、アリシア、言ってみなさい?」

「はい、お城の禁書庫への入室許可を賜りたくお願いに上がりました。」

「禁書?アリシアは禁書が読みたいのか?」

「はい、お父様」

「理由を聞かせてもらってよいかな?禁書は人に読まれないようにするために禁書としているのだよわかっているね」

「はい、それは承知しております。それでもわたくしは禁書庫に入る必要があるのです。」

「5歳の娘が禁書とは、アリシア、それは理由になっていないよ」

アリシアは少し考えた後、真剣な表情で答えた。

「お父様、実は私はこの国の歴史や文化についてもっと深く学びたいのです。特に、禁書庫には古代の知識や失われた技術が記されていると聞いています。これらの知識を学ぶことで、将来この国をより良くするためのアイデアや解決策を見つけたいのです。」

国王は驚いた表情を見せた。「そんなに学びたいのか?」

「はい、お父様。私はこの国の未来を担う者として、できる限りの知識を身につけたいのです。どうか、私にその機会を与えてください。」

国王はしばらく考え込んだ後、微笑んだ。「分かった、アリシア。お前の熱意は理解した。だが、必ず私の監視のもとで禁書庫に立ち入ること。いいね?」


アリシアは嬉しそうに微笑んだ。「はい、お父様。ありがとうございます!」


アリシアがエリオットに王様から許可が下りたことを話した。

「エリオット!禁書庫に入る許可がもらえたわ、でも私しか入室できないから、どの辺にあって何が参考になるか教えてほしい」

「まず手に取れる本は手に取ってみて、それで何かわかったら教えて」

「うん」


アリシアの禁書庫の入室は兄の皇太子の立ち合いで行うことがきまった。そして皇太子立ち合いのもと禁書庫に入室した。

「アリシア、禁書庫にある本で勉強なんて、本当にまじめだね、僕はあまり興味がないからここで座ってまっているよ」

「ありがとうお兄様、今日はお付き合いいただいて感謝します。」

「お礼はいらないよ、ゆっくりするといいよ、終わったら声をかけて」


アリシアは禁書庫にある資料を片っ端から調べ始めた。

これも違うわね、これもこれも、そこに存在した資料の多くはゲームの中で高級食材を利用したレシピや行ったことのないダンジョンのダンジョンマップ、武器や防具の錬成方法、経験値獲得用モンスターの出現エリアや推奨レベルなどが記載されていた。

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