第7詩 【風よこい】


ねえ わたしを ごらんよ


いつわらない とんぼのめがねで


  (どうぞ)


ねえ わたしにも 悲しいことがあるから


いいつくせない 蝉(せみ)の鳴き声で


  (どうら)


ねえ わたしだって 白黒つけたいときがある


カラスにだって だから濡羽色(むればいろ)が 自信に満ちている


  (わけ)


ねえ わたし まだやりとげたいことが たくさんあるから


それはみんな おなじこと だね


  (でしたな)



タタリラ リッチラ 吹く風は


生命(いのち)に吹き込む 天つ風


    〈風漕げ風漕げ えんやこげ〉


うっちら くっちら 吹く風は


生命(いのち)すりこぐ 魂(たま)の風


    〈風こい風こい あらけ ころけ〉



(びょう びょうびょうびょうびょう

    びョう びョうびョうびョうびョう

      ビょう ビょうビょうビょうビょう)



吹きやまぬ


 風よこい      〜おそれなき〜 〜いちずにも〜


縄文杉を            〜いなさ〜   〜のわき〜


 揺らしてこい



打ち砕かれて


 風よこい      〜たちあがれ〜 〜くいしばれ〜


バオバブの樹を         〜あなじ〜   〜おろし〜


 もいでこい



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る