【対象作】

　1-04　ゾンビを食べよう！

　https://ncode.syosetu.com/n6955jk/5/

【推し語り】

　タイトルあらすじ段階から異彩を放ちまくっていた本作。

　蓋を開けてみれば、ゾンビを食用とする世界での、小学生たちの幼い好奇心とちょっとした冒険にまつわる少々ノスタルジックな話でした……

　で、終わるわけがない。

　少年たちの無邪気な冒険をベースラインにしつつ、随所に紛れ込む不穏な要素。

　これってもしかして……という疑念が、ラストの1行で爆発します。いや、爆発というより確証かもしれない。ダメ押しかもしれない。どれでもいいですが、とにかくラストの1行がとても嫌な感じ（褒めています）に叩き落としてくる。

　やっぱりこれってアレですよねー。あらすじがハッピーカーニバルだし。

　……と思いつつ頭から読み返してみると、なんかえっらい不穏なことがさらりと書いてあるんですよね。

[引用/傍点筆者]

「で、あるからして。ゾンビと人間、またはゾンビ同士の交配で生まれた子どもは、性別や知能の発達具合によって食用と繁殖用に分けられて、…………」

[引用終わり]

　もしかしてこの世界、半分人間の存在でも普通に食用にしてる……？？

　読めば読むほど、考えれば考えるほど背筋が寒くなってくる作品世界。

　個人的にこの話、単に「変な世界で小学生たちが変な目に遭って終わる話」ではない気がしてるのですよ。主人公たちの行動が、どこかで世界の歪んだありようと関わってくるような、そんな感じがしています。冒頭が歴史の授業で始まってることもあり。

　そんなわけで、深く考えて嫌な気分（褒めています）になる作品でしたが。

　この嫌な感じ、好きです。

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