第3話
突然やってきた生徒会副会長 川端 弦希。
「新井田先生からお話は伺っています。えーっと・・・・・・何か御用でしょうか?」
「話は会長が来てから話そう。先ほどまでいたのだがね。 まったく、どこに行ったのだか・・・・・・」
どうやらこの副会長さんは会長さんと一緒じゃないといけない用事があったらしい。ならばなぜ声をかけてきたのか。
「そういえばだが、君は特に質問などはないのか?あまりにも聞きに来ないから気後れしているのかと思ったんだが」
「いえ、そんなことは。暗記は済ませてますし、万が一ど忘れしても魔法でどうにかできますので」
「精神干渉系の応用か。なるほど、確かにそれなら問題ないな。ああ、一応言っておくが試験などでは使うなよ?バレるからな」
「あ、はい。(学校位の機器ならごまかせるけどなぁ・・・・・・)」
どうやら思ったより気さくな人のようだ。そう思っていると・・・・・・
「ごめーん川端君。ちょっと風紀委員と臨時会議しててさー。遅れてしまったよ。ハッハッハ」
「ハッハッハじゃないんですよ会長。私だけならいつものことですが今回は
今年の総代の子まで待たせていたんですからね!?」
どうやら今来た軽薄そうな男がこの学校の会長らしい。しかし軽薄そうな見た目に反して技量はすさまじいことが見て窺える。
流石はトップクラス校で会長をやっている人だなぁと、思っていると
「自己紹介をしようか。
(今歓迎するって言ったか?入学したからって意味だろうが・・・・・・なんか引っかかるな。)
なお、そんな心の中を微塵も見せない笑顔で
「こちらこそ、右も左もまったくわからない状態ですがよろしくお願いいたします」
「硬いなぁ。もっとため口でいいのにー」
「は、はぁ」
と少し困っていると副会長さんが助け舟を出してくれた。
「会長、彼は一生徒として正しい振る舞いをしていますし、生徒会会長という肩書の圧なども考慮してください」
「もちろん分かっているさ、冗談だよ。でも、砕けた口調のほうがこちらとしても楽なんだよ。川端君が二人いるみたいでさ・・・・・・」
「頑張ります」
その後再び自己紹介をした綜真であったが、途中で妙な視線に気づいた。敵視、嫌悪、憎悪といった視線である。
『あれは、確か1個上の?』
「どうかしたかい?桜井君」
「あ、いえ誰かが見ているような気がして・・・・・・」
「ふむ。おそらく血統主義の子だろうね。彼らは要注意人物などをマークして監視しているからね。念のため気を付けた方がいいだろう。まあ君の実力なら――ん?ちょっと待ってくれ、確か君かなりの名門じゃなかったか?」
「あ、はい。羽林家藤原北家水無瀬流桜井家の嫡流です」
「ooh、凄い名門じゃないか。となると余計わからなくなるな・・・・・・」
「会長、おそらくですがまだ情報が回っていないか意図的に
「なるほど。桜井君よりも序列が低い家、もしくは歴史が浅い家の可能性は十分あるな。まあ桜井君は少し気を付けるぐらいでいいと思うよ。こっちでも注意しておくから」
「すみません、お手数おかけします」
「構わないさ。元々こっちも血統主義者たちの言動には頭を抱えていたからね。これを機に―――――」
「会長、来賓の方々がいらっしゃる時間です」
「あ、もうそんな時間か。それじゃ、桜井君。君の答辞を楽しみにしているよ」
「はい。ありがとうございました」
少し引っかかる点はあるもののとりあえず幕引きでいいだろう。と、綜真はこの時考えていた。しかし、綜真の、ひいては吉岡会長の想定した状況よりも事態は進んでいた...
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