第2話

 漣天高等学校。かつて発生した魔獣被害などの対策として建てられた優秀な魔技者育成学校である。国内の魔技者育成学校としてはトップクラスであり、他の4校と合わせて五大校と呼ばれる。そんな漣天高校で始まる入学式では早くも騒動が起きようとしていた――――――

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 「やあ綜真君、魔技推薦以来だね」


 「新井田先生、お久しぶりです。A組担任とは存じませんでした」

 

 「まあ一応トップクラスの術者ではあるからね」


彼の名前は新井田 宏樹あらいだ ひろき。漣天高等学校1年A組担任教師である。本人は一応とは言っているが、実際は1対1の魔技戦ならどんな相手でもほぼ負けないぐらいの実力者である。


 「それで、新入生代表答辞はこれでいいのかな?」


 「はい、お願いします」


 「分かったよ。私は来賓の方々の対応とかもしなくちゃならないからね。ここで失礼するよ。何か困ったら舞台のほうにいる副会長に声をかけてね。」


 「はい、ありがとうございました」


 (念のため答辞の練習しとくか...)


 ―――15分後


 「失礼、君が桜井綜真君だね?」


 「え、はい。そうですが」


 「そうか良かった。しかし会長はどこに・・・・・・」


 「ええと、どちら様でしょうか?」


急に来た見知らぬ女子生徒に困惑する綜真。


 (会長って言ってたし生徒会の人間か?)


 「ああ、すまない。挨拶がまだだったな。この高校の生徒会副会長をしている川端 弦希かわばた ゆづきだ、よろしく」


 「ああ、生徒会の方だったんですね。ご存じだとは思いますが、桜井 綜真です」


 やはり生徒会の人間だったかと納得していると・・・・・・

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