第1話

 第一話

 朝が来た。現在午前6:30、彼は体を起こし普通の学生のように朝の日常を過ごす。階段を下りてリビングで親と他愛のない会話をする。しかし今日は彼を除く家族全員が浮足立っている。


 「親父、漣天高校への入学は決まっているんだからそんなソワソワする必要ないだろう。」


 「何言ってるんだ綜真。高校の入学式は一大行事だろう」


 「お父さんの言う通りよ綜真。しかもあなたは魔技推薦で呼ばれたのだから余計に落ち着かないじゃないの」

 

 「お母さん。兄さんが落ち着いているんだから。あまりこっちが緊張したら兄さんまで落ち着かなくなると思うよ?」


 この発言、上から順に誰の発言か紹介しよう。

1人目、桜井 綜真さくらい そうま。この作品の主人公である。異常なほどに高い魔力と魔力操作技術があり、世界最強ではないかといわれている。保有技能スキルもかなりぶっ飛んでおり、国が躍起になって取り込もうとしている。容姿はとても優れており、かなりモテる。


2人目、綜真の父 桜井 由三ゆうぞう。彼自身魔法使いであり、魔法業界ではそれなりの発言力と地位を得ている。簡単な術式を戦略級術式に書き換え、殲滅するという特異な技術を持っている。


3人目、綜真の母 桜井 愛衣あい。かつては戦場で変幻自在の魔術師と呼ばれ、世界各国が要注意人物として指定していたほどの実力を持っている。


4人目、綜真の妹 桜井 佳奈かな。現在中学2年生。すでに国からオファーが来るほどの魔技と技能スキルを持っている。同年代の中では群を抜いて強く、容姿も兄同様とても優れている。そのためかアイドルのような扱いを受けるときがある。


 「とりあえず、俺は新入生代表の答辞があるから先に行ってくるよ」

 

 「では、私たちは後から行きますね、兄さん」


 「ああ、親父たちが変なことしないよう見ててくれ佳那」


 すると愛依がすかさず


 「変なことはしないわよ綜真。安心して行ってらっしゃい」


 「分かってるよ、冗談だって母さん。それじゃ行ってきます」


 こうして綜真は漣天高等学校に向かった。

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