二歩目『身に沁む』
道のかたわらに
色褪せた
季節は秋に
変わろうというのに
いつまでも
枯れた花を引きずっている
ほんのりと
赤紫を帯びていて
梅雨時の姿を
想像させた
春から夏の移ろいは
あんなにも心躍る
気持ちがしたけれど
夏から秋への移ろいは
ひとりで過ごすには
心細い
留まる場所を探す
蜻蛉を払いながらも
肌をかすめる
風に寂しさを覚えるのは
私の間違い、
のせいだろうか。
Fin.
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