第4話 手探り状態のスタート
自分の
「パパ、ここなに?」
「ここは
やってきたのは、村で唯一の
ここは村で余った作物や毛皮を、
何でも屋と呼んだ方が、分かりやすいであろう。
今回オレが立ち寄ったのは、
この地方の
だが毛皮や
そんな時はこの
「なるほど、パパ、すごい!」
説明を聞いて、
そんなに珍しいものではないはずだ。
もしかしたら
だとしたら今までどんな
「
オレの声を聞きつけて、奥から店番が出てきた。
「いたのか、カサブランカ? 村の入り口でこの
「って、オードルさんだったんですか⁉ いつ、帰ってきたんですか?」
店番はカサブランカという少女。
歳は今年で18歳くらいのはずだ。
オレとは昔から、ちょっとした顔見知りである。
といっても変に勘ぐってもらっては困る。
さすがのオレも、こんな10代の少女に手は出さない。
前に帰省した5年前に、この子の命を助けたことがあった。
それ以来、何かと
「村には、さっき帰ってきた。こいつを
長い世間話はあまり好きではない。
オレは
「あっ、はい。これは、いい品ですね。すぐに
普通、
だが今回の毛皮は、頭部の部分が丸ごと
「
「えっ……石で、
「ああ。そうだ。少しやりすぎた」
「いえ、いえ……相変わらず
オレに
だが昔から怪力であったことは、村でも有名だったのだ。
「すごかったんだよ! ピューンって、石をなげて、パンッ! ってたおしたの!」
「なるほど、さすがはオードルさんですね! ところでオードルさん、この可愛い
「こいつは……一応はオレの
「えっ? オードルさんの
「ああ、そうだ。母親はどこにいるかも不明。とにかく今日から村で世話になる」
村で唯一のこの
「えっ……オードルさんに
説明を聞いても、まだカサブランカは混乱していた。
その気持ちはよく分かる。
当人であるオレですら、未だに混乱しているのだ。
「じゃあ、また世話になる」
今後の生活で必要になる、
「あと、この年頃の女の
5歳の女の
その辺は同性のカサブランカに任せておこう。
金は先払いで多めに払っておく。
さて、これで今日の分の仕事は終わり。
オレたちは
「さて、家に向かうとするか」
こうしてオレたち二人は家に戻るのであった。
◇
我が家は村外れにあった。
1階建ての平屋で、木造の小さな建物である。
10年前に亡くなった村人の空き家を、オレが買い取った物だ。
「ふう。相変わらずホコリが
帰宅したのは実に5年ぶり。
まずは家中の窓と扉を開放して、ホコリを出さないとな。
「すごい! パパのいえ! 家にすむの、マリアはじめて!」
マリアはかなり
子どもだから何でも喜ぶのであろう。
それにしても“家に住むのが初めて”とはどういう意味であろうか?
「マリア、ママとふたりで、ずっと旅してたの!」
なんだと?
産まれてからずっと
母親はいったい、なんの仕事をしているのであろう?
旅芸人や行商人などの、流れの仕事をしているのかもしれない。
だが、そんな女の記憶はオレにはなかった。
「家うれしいな~。うれしいな~」
とにかくこいつも、なかなかの不幸な人生を、今まで送ってきたのかもしれない。
あまり深く聞かないでやろう。
「ママとのまいにち、たのしかったよ! つらくはなかったよ、パパ!」
ああ、そうかのか。
不幸だと決めつけて悪かったな。
まったく前向きで元気なやつだ。
「とにかくお前の母親が見つかるまでは、ここにしばらく住むことになる。
5歳児であるマリアにも、ちゃんと働いてもらうつもりだ。
だが5歳児の女の
今まで
「うん! マリア、がんばって、はたらくの!」
そんな立ちつくすオレを横目に、マリアがさっそく働きだす。
「パパ、おそうじの水、どこ? いど? かわ?」
「
「わかった、パパ!」
驚いた……。
5歳児はこんなにテキパキと、働きだすものなのか?
言葉はまだ
これには思わず驚く。
「じゃあ、水くみに、いってくるね、パパ!」
家の中を
「おい、ちょっと待て! 裏の
止めるまもなく、マリアは飛び出していった。
女は顔が命。
もしも顔を
「クソッ!」
オレは
マリアの姿を必死で探す。
「まったく、これからどうなることやら……」
こうしてオレと
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