第32話:腐ったボンレスハム。
ベンジャミンは、なんやかんや言って健斗の部屋に入り込んでしまった。
健斗も消されたくはないので、引きさがるしかなかった。
「お邪魔させていたらきまふ」
「ほほう・・・人間って窮屈な暮らししてるんれふね」
「好きで住んでる訳じゃないよ」
「生活費の予算は決まってるからな」
「狭っ苦しいって思うなら自分の世界に帰ったほうがいいと思うぞ・・・」
「あ、ろうぞ、おかまいなく・・・狭くても大丈夫れふよ」
「三人で川の字になって寝まひょう」
「おえっ、ベンジャミンと一緒に寝るの?曽我部っち」
「一緒になんか寝るかよ、そんなことしたらバイ菌が移りそうだよ」
「まったく図々しい野郎だな・・・」
「女子アレルギーの上にさらに、おまえアレルギーになりそうだよ」
「ワテと一緒に暮らしてたら免疫力つきまふよ」
「あまり清潔にしてるからいけないんれす」
「そのうちワテの存在に感謝する時がきまふよ」
「下位神格はこう言う図々しい生き物なんです」
「ベンジャミンいつまでいるつもりですか?」
「あなたがいると、おちついて曽我部っちとセックスできないんですけど」
「あ、私のことは気になさらずに、どうぞやってくらさいセックスれもエッチでも」
「見学させてもらいまふから・・・」
「見学って・・・何間考えてんだ・・・俺たちは見世物じゃないぞ」
「すいましぇん、人間のセックスって見たことないのれ・・・冥土の土産に・・・」
「人間も神もやってることは変わんないよ」
「それに誰かに見られながらできると思うか?」
「あんたが、ここにいたら、ほんと落ち着いてできないんだよ 」
「用事は済んだろ?・・・ほんとに帰ってくれないかな・・・」
「れふから・・・」
「だから、だれがなんと言おうとパンは返さない」
「だいいち当の本人が帰らないって言ってるんだからさ、はっきりしてるだろ?」
「それれふが・・・さっきから言ってまふれしょ・・・」
「パンさんは帰らなくていいんれふ、ワテがゼヌス様にパンさんは幸せに元気で
暮らしてると報告しときましたから」
「そんなこと言って・・・おまえな、他人の迷惑って考えないのか?」
「このさいゼヌスは関係なくてだな・・・おまえがいることが迷惑なんだよ、
おまえがいることが・・・」
「ワテは帰れないんれふ」
「ゼヌス様から、おまえがパンのそばにいてちゃんと世話をするようにって
仰せつかってるんれふから」
「まじで?」
「それが余計なお世話ってんだよ」
「言ってくだされば買い物も洗濯もしまふけろ・・・」
「タダで住まわせてくれとは言いましぇん」
「うそ〜住み着くつもりでいるよ、こいつ?」
「おまえみたいのに、このへんうろうろされたら宅配のお兄ちゃんだって
寄り付かなくなるだろ 」
「私は、あたながいたら曽我部っちとセックスできないから困ります」
「パンさんはセックスしか頭にないんれふね」
「恋人同士からセックスがなくなったら致命的ですよ?」
「ベンジャミン、おまえだって同じ世界にいたんだから知ってるだろ」
「ニンフってのはそういう生き物だからしかたないんだよ」
「ワテ、ニンフとセックスしたことないれふからね」
「ですから、参考のためにお二人のセックスの模様を見学させていただくという
ことれいかがでひょう」
「なんなら、私もお手伝いしましょうか、セックス」
「何、言ってんの・・・おまえとなんかするかよ」
「曽我部っち・・・なに?お手伝いって?」
「だから・・・このおっさんも交えて三人セックスしようってことだよ」
「三人って・・・男二人に私ひとりですか?」
「嫌です・・・私は曽我部っちだけでいいです」
「ベンジャミンまで?って、おえ〜・・・キモ〜最低・・・体が腐っちゃう」
「パン・・・俺はキモくないからな・・・こいつが変なこと言うからだろ」
「最低なのはこいつだよ」
「あ〜私、考えただけでジンマシンがでちゃいそうです」
「俺もだよ・・・」
「あの、差し出がましいことを言いまふが、私、自慢じゃないれすけろ・・・」
「デカいれすよ」
「え、何が?・・・デカいって?」
「あそこがれふ」
「ワテは見かけは貧弱に見えまふけろ、持ち物はそれはもう立派なのれふよ」
そう言ってベンジャミンはズボンとパンツを脱いだ。
ぶらさがってる黒い物体を見た健斗はビビった。
「わ〜・・・腐ったボンレスハムみたいですね」
そう言ったのはパンだった。
つづく。
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