第26話:献身的主婦もどきのパン。
パンとのセックスがあまりに素晴らしすぎて、その間、健斗はもうどうなっても
いいとさえ思えた。
このまま死んだとしても、それで本望だと・・・。
そのくらい健斗は最高の快楽の世界を彷徨ったのだ。
世界中で童貞を失った男の中で一番素敵ですばらしい童貞を失い方をしたのは
健斗だっただろう。
パンは喜びに涙し、こぼれ落ちたその涙はダイヤモンドに変わった。
こうしてパンは健斗の愛で潤いを取り戻したのだった。
「あ、ごめんコンドーム着けるの忘れた・・・」
「大丈夫ですよ・・・曽我部っちの精子は全部私の体に吸収しちゃいましたから」
「え〜そんなことできるんだ・・・ニンフってすごいね」
ちょっと恥ずかしい思いをしながら薬局でコンドーム買って来たのにね・・・。
それからも健斗とパンのセックスは毎夜のように営まれた。
健斗はパンの誘惑に負けることが快感になっていた。
言い換えればニンフちゃんの性の罠にハマった、と言えるかもしれない。
パンは健斗と交わるたびにさらに美しくなっていった。
結局、健斗の女性アレルギーはパンによって払拭されたようだった。
こうして女性アレルギーだった男とニンフちゃんは仲良く暮らしていくことに
なるわけなんだけど・・・。
喜んだのもつかの間・・・健斗は自分の体から女性アレルギーがなくなった
と思って、同級生の女子に気軽に接しようとしたんだけど身体中にジンマシンが
できてダメだった。
試しに他の女子にも手を触ってもらったがやはりジンマシンが出た。
パン以外の女子に触れると、まだアレルギーが治ってないことが分かった。
実は健斗の体にアレルギー反応が出ないのはパンひとりなんだな。
だから健斗はパンとしか暮らせないわけでなんでパンだけが大丈夫なのかは、
それは神のみぞ知る・・・誰にも分からないことだった。
どうなんだろう、実際はパンは人間の女子じゃなく精霊なわけだから・・・
見た目は女だけど本質は女じゃない・・・健斗の体がパンは女性じゃないと
認識したとしたら・・・でもそれはありえないね。
どう見たってパンは女だし、セックスもちゃんとできるんだし・・・。
そんな訳で、女性アレルギー男と期せずして出会った精霊の女は、お互いの
未来のことなど考えもせず一緒に暮らしていくことになるのだった。
パンは普通の主婦のようにエプロンをして料理を覚え掃除・洗濯、隣、近所との
コミュニケーションが取れるようになっていった。
そして大家さんとも仲良くやっていた。
パンは大家さんが自分のおばあちゃんみたいな存在だと思っていて大家さんはパン
を自分の孫のように可愛がった。
昼間は献身的に主婦をしてパンがニンフちゃんとして正体を表すのは夜だけになり
ふたりは、まるで新婚カップルのようだった。
現実問題、パンには戸籍がないんだから健斗とは結婚できないわけで、だから
パンは永久に内縁の妻、あるいは健斗の彼女のままなのだ。
ま、いいんじゃないだろうか・・・紙の上に結婚の証明を残したところで離婚
しちゃう夫婦だっているんだから・・・。
つづく。
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