第11話:特殊な女と同棲する問題。
憂鬱になっても、否応なしに次の日はやって来る。
朝、カーペットの上に敷いた布団から目覚めたらパンは健斗のベッドの上で
スヤスヤ眠っていた。
その日は大学もバイトもか休みだったので健斗は買い物にでかけるつもりだった。
(俺はこれからずっと床の上で寝るのか・・・)
パンに無理やり着せたパジャマは半分脱げかかって、おっぱいがプルンとはみ
出していた。
おまけにパジャマのズボンをどこかに脱ぎ捨て股をおっ広げて寝てるから目のやり場に困った。
「寝相の悪い女だな、まったく」
慣れというのは恐ろしい、今更パンのおっぱいをみたからって興奮もしない。
逆に興奮したって無駄って分かってるし。
彼女の乱れたパジャマを綺麗に直してやるりながら思った・・・。
「そうだよな・・・服いるよな・・・ずっとパジャマのままじゃな」
「それに下着だっているだろ・・・そうだよ、風呂にも入れないと・・・」
特殊な彼女と同棲するってだけでいろんな問題を解決していかなきゃいけない
んだって健斗はなおさら憂鬱になるのだった。
健斗とパンの場合はセックスしてなくても同棲って形にはなるんだろう。
一応、パンは健斗の彼女のつもりでいるみたいだし・・・。
「何度見たって普通にいるよな・・・ニンフが」
健斗は何度も天井を見てはパンに目を落とした。
「こんな可愛い子、見てるだけなら、こんなに楽しいことないんだけどな」
「パンが来てまだ三日くらいだけど大家さんにだけは見つからないように
しないと・・・」
「あともし吉岡「友達」が来たら、なんて説明する?まあ、とりあえず俺の
彼女ってことにしとけば特に問題はないか・・・」
「問題はパンの下着だよな・・・やっぱり俺が買いに行くんだよな・・・」
「服以外にも生活必需品がひとりぶんいるし・・・」
健斗は寝てるパンを起こした。
「もう、朝なんですか?」
「そうだよ、早く起きて・・・顔洗って、歯磨いて・・・」
「俺、買い物に行ってくるから」
「前の世界ではそんなことしたことないから面倒くさいです」
「なに言ってんの・・・女の子だろ」
「そうですけどぉ〜」
「って言うか、まさか風呂にも入ったことないとか?」
「ないです・・・私、泉の精霊ですからね」
「え〜・・・そう言う問題かな〜泉の精霊だからって・・・ここじゃ風呂に
入らないと・・・不潔にしてたらセックスできないぞ?」
「えっ?お風呂に入ったらセックスしてくれるんですか?」
「いやいやいや・・・言葉のアヤだよ・・・たしかに汚い女は俺じゃなくても
誰でも嫌に決まってるだろ」
パンは自分の脇の下を匂った。
「匂わなくていいから・・・」
健斗は意外と清潔好きのようですね。
パンは健斗に不潔はダメだって言われてしかたなさそうに洗面所に行った。
「買い物に行って来るからおとなしくしてるように、分かった?」
「分かりました」
「ちょっと行ってくるから・・・」
「はい、お出かけのチュー」
「できないの知っててわざと言ってるだろ・・・」
「行ってくるからな・・・寝ててもいいから何もするなよ」
「するかも・・・」
「カップ麺でも食って、おとなしくしてろって」
それにしてもパンがカップ麺を食べたあとで、しつこくセックス、セックス
言わなくなったことは健斗も驚いた。
カップ麺にはパンを大人しくさせる何か特別な効果があるんだろうか。
健斗にとっては、喜ばしい発見だったかもしれない。
パンが淫乱女になりそうになったらカップ麺を食べさせておけばいいんだから。
でもそれもいつまで効果があるのかは不明だった。
つづく。
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