第3話:って言うか・・・君誰?
健斗は自分のパジャマをパンに渡しておいて彼女をほったらかしたまま
勝手にベッドに寝転んでさっさと寝てしまった。
ひとり取り残されたパン、しかたないので寝てる健斗をギューギュー奥に
追いやって狭っ苦しいシングルベッドに健斗の背中に抱きつくようにして眠った。
パンにとって健斗は人間界ではじめて出会った男だけど精霊のニンフちゃんに
とって男に抱きつくなんて普通のこと・・・日常茶飯事な出来事だった。
そして次の朝。
健斗は目覚ましが鳴ってるのになかなか起きられない。
「う〜頭痛え〜・・・」
昨夜の酒がまだ残っていた。
「頭がガンガンする・・・二日酔いだよ」
で、起きようとしたけど動きづらい・・・自分の体になにか当たるものを感じた。
「ん?・・・窮屈だな」
で、後ろを振り返って見た。
「・・・・・わっ!!」
「なに?誰?・・・なに?・・・なんでこんなところに女がいるんだよ?」
「なんでベッドに?・・・なんで、俺の横で女が寝てんだ?」
って思ってる間に健斗の体にジンマシンがぶわっと広まった。
しかもその女はすっぽんぽんで何も着てないときたもんだ。
健斗が渡したパジャマをパンは着なかったみたいだ。
健斗は慌ててパンから離れた。
「まじか〜酔った勢いでおネエちゃんをナンパしてお持ち帰りしちゃったのかと
思ったじゃん・・・で、本当ならそのままの流れでやっちゃっうところなんだけど」
「それはありえない・・・ないない・・・アレルギーな俺がそんなことしたくても
できるはずがない・・・」
健斗がうるさく騒ぐから寝てたパンが目を覚ました。
「ふわ〜〜〜〜〜あ〜よく寝ました」
「あ、起きた?」
「ごめん・・・俺、酔った勢いで君をお持ち帰りしちゃったみたいだね」
「あ、おはようございますぅ」
「夕べはどうも〜」
「やっぱりだ・・・お持ち帰りしたんだ」
「まあ、お持ち帰りされたってことになるんですかね、私」
「あのさ、ごめんね・・・勝手なことして」
「無理くりじゃないよね・・・だとしても婦女暴行で訴えたりしないでくれる?・・・
なにもしてないと思うから・・・」
「つうかその前にパジャマ着てくれないかな・・・そのままだと目のやり場に
困るし、見てるだけでアナフィラキシーショックになりそう」
「服なんか着ないです・・・いつだって裸ですから」
「何、言ってんの・・・裸で生活してる子なんていないだろ?」
「私の世界では精霊や妖精はみんな裸です」
「え?そうなんだ・・・って言うか・・・君誰?」
「誰って?・・・忘れたんですか?」
「あ、ひどい、私のこと覚えてないんですね・・・バカ酔いしてて?・・・」
つづく。
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