怨霊になったトモダチ
怖さとは霊になった存在のみに対して使うわけではありません。
むしろ人に対して使うのが正しいのでしょう。
私の友人に「るーちゃん」という女性が居ました。
彼女とはSNSを通して知り合い、そして彼女も属するグループで仲良くしてもらいました。
東京で彼女と彼女の夫、グループのメンバーと会ったのは丁度ハロウィンのこのシーズンでした。
屈託のない笑顔で接してくれて可愛くて旦那と子どもも笑顔で幸せな場所だなと思いました。
あの時を知るまでは。
彼女と再会したら特技のアクセサリーをプレゼントするつもりでした。趣味がとても合い楽しかったお礼に。
しかし、それは叶いませんでした。
彼女は22という若さであの世に旅立ったのです。
自ら命を絶ったと後々聞きました。
原因は旦那の浮気。
そして浮気相手と関西でお店を経営していると聞きました。
わたしは暫く時間が止まりました。
るーちゃん
るーちゃん・・・
もう会えないの?
本当に?どうして?
私の虚しい気持ちを逆なでするように浮気相手の女と仲良くしている旦那のSNSを見かけ
正直腹が立ちました。
私は、そこにるーちゃんが留まっているような気がして
それならなにか
るーちゃんの力になれないかと
お店に行ってみることにしました。
お店の営業時間に向かうと
お店は開いていませんでした。
どうやら来客が来る時だけ開けるタイプのクローズドなお店にしているようでした。
帰ろうと思った時、1人の女性が目の前に現れてお店を開け始めました。
浮気相手の女でした。
しかも既婚者。
似た者どうしは引き合うのでしょうか?
既婚者同士が浮気をして、結果るーちゃんは亡くなってしまったのです。
私は、そのグループに属していた浮気相手の女に身の上を明かし、少し話をしました。
彼女を見ていると弱っています。
肌はボロボロ、目は泣いたのか腫れていて
そして何よりお腹の辺りに3本の爪で引っ掻いた痕が視えたのです。
「もしかして、胃の調子とか悪いんですか?」
そう私が問うと女はビックリした顔で
「わかるの!?」
と返しました。
私は爪の痕がと言おうと思いました。その時
シュルシュルと彼女の後ろにとんでもない気配を感じたのです。
表現するなら、大量の長い髪の塊。大きな爪。
私は直感的にわかりました。
るーちゃんだ
怨霊の類にるーちゃんはなって浮気相手の女の身体に巻き付いていたのです。
心が裂けそうでした。
私は、何もないですとその場を去りました。
そして少し遠くのお寺にて、るーちゃんを想いながら手を合わせました。
私は止めないよ。
でも、いつかお父さんとお母さんのところに帰ってあげてね。
と心の中で考えながら。
その後知ったこと。
浮気相手の女はDVを受け
るーちゃんの旦那は精神を崩壊させてしまい、子どもを取り上げられ
お店は潰れたそうです。
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