第16話 おやじの話「最期の日」

現在の場所に家を建て、おやじと暮らし始めたのが12月。 翌年の11月に亡くなりました。死因は 老人性肺炎。呆気ない最期だった。


生涯 花が好きで実家に居たときも花の手入れに余念がなかった。こちらで一緒に暮らし始めても、朝から水くれ 庭の手入れと花に愛情を注いでいました。


11月初めてに倒れ、呆気なく亡くなり、無言での帰宅。玄関が狭い為、部屋に面した庭から棺桶の出入りとなり、部屋で一晩安置。次の日の出棺、部屋から庭に出て見ると、驚いたことに、庭は一面の花が咲き乱れていたのです。庭に有った花だけでなく、雑草迄も小さな花を咲かせていました。花の中を出棺。庭の花たちが、おやじを見送ってくれました。小さい奇跡なのでしょうか。


一人の人間として、羨ましく思います。

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