小さくて不可思議な体験

第10話 幽霊、？

不可思議な体験を書いてきましたが、一度だけ幽霊らしいものを見たことがあります。

今から40年前の暮れ、先輩の飲み会後に運転手を頼まれ、それまでの間 一人で残業をしながら待っていました。

工場の天井照明は切り、30m有るベルトの端にあるモニターと中頃に有る修理場所の上だけの電灯を着け、辺りは薄暗い中での作業となりました。

午後9時を回った頃、モニターから修理場所に向かう途中 ベルトの反対側に、洗いざらしの青いツナギを着て背中を向け うずくまっている人影が見えたのです。再度、見直した時には、誰も居ませんでした。

確かに 同じツナギを着た人達が 別棟におりましたが、作業内容が異なる為 こちらに来る事は有りません。

怖くなり、作業を止め 事務所で電話を待ち続けました。自分が聞いた範囲では、青いツナギを着た人が、亡くなったとの噂は聞いておりませんが、今だに 青いツナギの後ろ姿は覚えています。