第9話 青白い光が
23時を過ぎている。
仕事も終わり、男は一人駐車場に向かう。
「やだな。何で墓場の隣に 駐車場を作るんだよ。」
男は一人ぶつくさと文句の言いながら、車へと向かった。
そこで目にしたのは、遊歩道に淡く青白い光が、揺れている光景。
「あれは、なに!」男は立ち止まり、揺れる光を見詰めていた。
ひかりは、まるで貴人の足下を照らす、ちょうちんの様に、静かに ゆっくりと動き、ある場所で、静かに消えた。その間の数秒間を男は立ち止まったまま、ひかりを、呆然みていた。
我に帰った男は、急いで車を走らせて、一刻も早く、この場所から離れた。
後日、男は 再び ここに来てみると、墓場の奥に一際大きな墓が有り、札がある事に気付く。札には、「戦国時代に、落城した お姫様がこの地で自害され、ここで慰霊をしている事。」
男は、この駐車場を二度と使わなかった。
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