『クラシック音楽の反逆!』 17


 いかづちは、やたらに長かった。


 団体旅行者でもいるのか?


 とも思えたが、ホームには他には誰もいない。


 どうやって走るのか、まったく分からない。


 『がた』、とも言わないで、ひたすら滑るように到着したのだ。


 出入り口は天井に向かって開いた。


 車体は真っ白で、真ん中あたりにグリーンの線が、一直線に走る。


 案内ロボットが言うのだ。


 『いざ、ご乗車くださりませ。』


 『よし。』


 ジャヤコガニユアン三世が一番に入ろうとしたが、侍従長が止めた。


 『陛下、まず、わたくしが確認いたします。』


 『む。』

 

 気が利かないやつだと、王は思ったが、まあ、仕方がない。


 侍従長は、内部を見渡した。


 すでに試乗しているから、ある程度は分かっている。


 普通は、お付きのものがずらりと並んで王を待つものだが、みごとに誰もいない。


 『😠💨。ふん。まあ、致し方ないか。』


 誰が運用しているのか、はっきりしていないが、古代人が作ったシステムである。信頼性は高いと、侍従長は見ていた。


 ジャヤコガニユアン三世以下、一行が50人ばかり乗り込んだ。


 『全員、乗りましたかな?』


 侍従長は確認をした。


 すると、電車はそれを察知したかのように、ドアがするすると締まった。もちろん、案内役が合図を出したのであろう。


 『おまたせ、いた、し、まし、た。いかづちごう、はっしゃ。はっしゃ。します。』


 

      🚆✨


 


 


 


 

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