『クラシック音楽の反逆!』 16


 ホームは、うってかわって、静かそのものが、ひたすらそこにいるという風情であった。


 ジャヤコガニュアン三世は、静寂が苦手である。


 それは、静寂に最高の意味を見いだす、ムンダーナ王と、正反対であった。


 要するに、ジャヤコガニュアン三世は、派手で賑やかであれば良いのである。


 ロックもジャズもラップもシップも、クラシックも、しんみりしたのは好きではない。


 まあ、王にとって、クラシックはまだ入り口にあるという程度ではあるが、それでも、もはや、王国内に匹敵(超越)するものは、過去からやってきた、シンヤーマしか、いないのではある。


 あまりの不気味な静寂に耐えかねて、ジャヤコガニュアン三世が大声を挙げようとしたその刹那、ホーム全体に響く無機的な音がした。


 『びんぺぺぽーん。お待たせ、いたし、ました。ムンダーナ、中央駅、ゆき、の、特別枠超特急、‘’いかづちごう‘’、が、到着、いたします。ホームの白線より、下がって、お、まち、くだ、さい。』


 『へんな、発音であるな。』


 ジャヤコガニュアン三世が皮肉った。


 『これは、自動音声、つまり、機械により合成された声です。』


 シンヤーマが案内した。


 『ちょっと古いシステムなんですが、愛好者が多かったものですから。』


 『クラシックみたいなものか?』


 『まさに。そうです。さすがは、国王。』


 『こほん。そうであろう。』


 少しだけ間を置いて、ついに超特急『いかづち』が姿を現したのである。


 『おお〰️〰️🎊』


 そこにいた全員が、驚きの声を挙げたのである。



      🚆オマタセー🎵












 

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