『クラシック音楽の反逆!』 15
『🎵ぱかぱんぱんぱんぱかぱかぱー、ぱーかぱーぱーぱーぱーぱ〰️〰️〰️!』
ワーグナーさまの『タンホイザー大行進曲』が、鳴り響いたのである。
それ自体が、宮殿の下に存在するという、地下ホームに向かう、ジャヤコガニュアン三世と、その仲間の人達を見送る式典である。
まあ、演奏には、多少、外す人もあったり、いろいろ不味い点は見られたが、それでも、これが、ムンダーナ以外では、地上でいちばんの演奏である。
合唱団もしっかり入っていたが、歌詞は失われていて、そこは、ジャヤコガニュアン三世が書いたのである。なにしろ、1000年近く前に出来たものだし、間には、核戦争やら破滅的災害が数回発生したりしているのだから。
『侍従長、まいるぞ。王子よ、あとは頼んだ。』
『はいはい。まあ、任せなさい。侍従長さんが難なく帰って来たくらいだから、電車は心配はないだろう。問題は、ムンダーナの対応ですな。まあ、ぼくも、先方とは電話で話したし、人跡未踏地ではないし、知らないなかでもないし。父上の兄弟仲が悪いだけだ。仲直りしておいで。いまは、まさしくチャンスだよ。』
これこそが、ジャヤコガニュアン四世となる人物である。
『説教するな。』
『すいません。』
一行は、新しく発見された、太古のエレベーターに乗り込んだ。
なにしろ、太古の方が科学技術は遥かに進んでいたのだから、みな、おっかなびっくりではある。
ワーグナーは、いまだ、壮大な響きを轟かせているが、もう、一行には聞こえていない。しかし、見送る人々には必要なのである。
実際に、始めて聴く人々は、かなり、圧倒されていたようだ。
『くらしく音楽とは、やや、おっとろしいものであるな。』
『まさに、悪魔的でありますなあ。』
『でも、魅力的。あなたより。』
『いや、そんなことはなかろう。わたしは、ロックンロールに生きてきた。あなたも、好きと言っていた。』
『もう。でも、だんちね。格段に。』
『だんち………』
プレスリー男爵が喘いだのである。
国王の命令の前に、ロックも地下に潜るしかなかったのである。
プレスリー男爵は、すでにレジスタンスを立ち上げていた。
😠😡
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