第15話

「あ!このモンスター、知ってます!半年前に迷宮崩壊を引き起こしたネームドモンスター、『白銀のタルタロス』じゃないですか!?多分御主人様でも苦戦しますよ?」


「そんなことないよ、最悪の場合は転移して逃げればいいし、よゆーよ、よゆー!」


「絶対死亡フラグ立ったよこれ⋯」


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ネームドモンスター、白銀のタルタロス。


半年前、このダンジョンで迷宮崩壊が起こった。


迷宮崩壊は必ず引き起こしたモンスターがいるのだが、それが今回はモンスター『タルタロス』の突然変異種。


通常、タルタロスは体全体が毛で覆われており、毛が真っ黒。


だが、このモンスター、『白銀のタルタロス』は毛並みは白く、鎧は銀。


当然、最初は迷宮協会も討伐に動いたが、結果は惨敗。


結局、迷宮崩壊が終わるまで、周辺住民は避難を余儀なくされた。


その期間、約1ヶ月以上。


この事態を受け、迷宮協会はこのモンスターのことを『白銀のタルタロス』としたのだ。


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「まあ、でも、この程度のモンスター、私の相手にはならないでしょ?」


「なんでですか!?こっちではEXランクに位置づけされてるんですよ!?」


「だってむこうだとこの種類のタルタロス、いっぱいいるし、何なら黒いタルタロスと種類が違うし、むこうのランクはAだから、だいじょうーぶ!」


「え、もしかして聞きますけど、御主人様の冒険者ランクって?」


「S級超えて神幻級だけど?」


「それってどれくらいすごいんですか?」


「えっと、魔王単独撃破はできて当たり前で、対星用戦闘機のランクが、原初だから⋯だいたい神様と同じ位の強さ?」


「神様に殺されたりしないんですか?」


から大丈夫!」


「やべえよ、御主人様がやべえよ、もう神様殺しちゃってるよ⋯」


「お話はこれくらいにして、そろそろ襲ってきそうだよ?」


「わかりました、ちょっと黙っときます⋯」


「それでよろしい!じゃあ行くよ!抑えめの『無限解放』!」


アリアが『無限解放』を唱えた瞬間、周囲500mほどが消えた。


それと同時に、アリアの体から、魔力が漏れ出した。


「《スキル・多重武器生成・雷』》」


その瞬間、周囲100mに斧、銃、剣、刀、鞭、矢、短刀、短剣、槍、鎌、ハンマー、ダガーなど、空中に生成されている。


そして全てが生成されきった瞬間、生成されたすべての武器に雷属性のエンチャントがされた。


飛び道具には弾に、刀などには刀身そのものにエンチャントが施された。


「『ゆけ』」


白銀のタルタロスは本能的に魔力障壁を張ったが、追いつききれず、


白銀のタルタロスの体が爆発し、感電し、焼けただれ、アリアはボス討伐に成功した。


「やったぞ〜!ついに力を抑えた状態で倒せたぞ〜!」


「おめでとうございます!御主人様!」


そしてアリアは、もう一個下の層、超越級がうじゃうじゃいる層に降りていった。













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