第14話
アリアたちは深層についた。
「へえ、ここが深層、もうすぐ最深層なのかな」
「いえ、違いますよ、御主人様。ここが第一深層にして、最深層です」
「深層がちっちゃいね、なぜ?」
「なぜって、そりゃ噂では『
「いや、あるかもよ?」
「なぜです?」
「私は、ここに九尾たちの情報があるっていう噂を聞いて来たんだから」
「へぇ〜そうなんですね⋯」
「あれ?でも、ダンジョンって普通深層までじゃないんですか?」
「普通はそうなんだけど、でも気配を探ったらここより下にもう一階層あるっぽいんだよね⋯しかも超越級のやつがウジャイじゃいる層」
「やばくないですか?大丈夫なんですか?」
「大丈夫に決まってるだろ!」
「それはそうですよね、」(意訳)あはは、ぜってー大丈夫じゃねえだろ!
「なんだかんだ言ってボス部屋の前までついたけど?」
「なんですかこれ?課題文?」
「なんだよーまたかよぉ・・・」
「えっとなになに?」
課題文はこう書かれていた。
______________________________________
汝、ここを通りたくば(解読不明の言語)
ひとつ下のパネルにはナニカをはめる事ができる台座が設置されており、形は丸。
______________________________________
「読めなかったら、なんて書いてあるかなんてわからないよー!」
「でも、この形に合うドロップ品をはめたらどうですか?」
「このフロアのモンスターを全部狩るの?面倒じゃない?」
「アリア様はすぐ忘れますね、お忘れですか?広範囲殲滅魔法があるじゃないですか!」
「そうだった、そうだった、ほんとに忘れっぽいね、年かな?」
「アリア様の年齢は?」
「乙女に年齢なんて聞くもんじゃありません!」
「oh、正論が帰ってきた⋯」
「とにかく、狩ればいいのね?」
「はい、おそらくこのフロアのドロップ品だと思うのでそうだと思います。」
「よし、じゃあやっちゃうぞ!『神幻魔法・広・黒炎黒雷』」
次の瞬間あたり一面に黒い雷が降り注ぎ、黒い炎が燃え盛った。
______________________________________
このとき、たまたまこの階層にいた冒険者たちは後にこう語っている。
『びっくりしましたよ、いきなり炎とか雷が降ってきて! しかも、魔物を的確に狙っていたから、強化種の魔法かなって思って。あれはもう思い出したくもないトラウマですね⋯』
『そうですよ、あれから3ヶ月たったくらいに政府が公式発表したエルフ族の魔法だったから、あの会見を見てすぐ、またダンジョンに潜り始めましたね⋯』
そして、最後はみな、口を揃えてこう言った。
『『『『エルフって強えと思いましたね⋯』』』』
______________________________________
「よし、『収集』」
アリアはスキルを使い、ドロップ品を収集した。
「これも違う、あれも違う、あ、これっぽいかもしれない、こっちにもそれっぽいのが⋯」
2分後、アリアはめんどくさくなって、台座に魔力を流し始めた。
「うーん、答えがわからんな⋯まるで答えが複数個あるかのような⋯」
「それですよ!アリア様!答えはこれだけじゃないんですよ!」
「そう、なの、か?えーいものは試しだやってしまえー!」
三十分後、アリアは答えを見つけた。
「見つけた!この4つが答えだ!」
アリアは、一回ずつ、その答えであろうドロップ品を当てはめていった。
そして最後の一つになった。
「これを当てはめれば⋯」
当てはめた途端、あたり一面に光が広がり、扉が『ガコンッ――』と開いた。
「よし、やっと深層ボスとご対面!どんなやつかな?」
「弱いモンスターでありますように、弱いモンスターでありますように⋯」
何かをすごい勢いでブツブツ唱えている朱雲竜の願いも虚しく、このダンジョン二回目のネームドモンスター、『白銀のタルタロス』がボスを喰っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます