第4話 スライムを舐めすぎてはいけない
今日は仕事が休みだ。
「よし。今日は街の外のモンスターを、倒しに行くぞ!」
サマナーに街の外にはどんなモンスターがいるか聞いてみたところ、強すぎるモンスターはいないから安心しろと言われた。
だから俺は安心して街の外に行ける。
荷物はまとめた。と言っても食料と小刀だけだけど。ちなみに小刀は店のお金を使って武器やで買った。
火を操る魔法は一応使いこなせるように練習してきた。俺はいつでもモンスターを倒せるぜ。
*
「初めて街の外に来たな。思っていたよりも自然が豊かだな」
耳をすませば小鳥のさえずりや水の流れる音。そして風になびく葉っぱの音が聞こえてくる。なんてリラックスできるんだ。
けれど街の外にはモンスターがいるから気おつけないとだな。
「ん?あれはなんだ?」
遠くに見えたのは、水色のゼリーみたいな動く物体。近づいてみることにした。
「!?」
近づいてみるとゼリーみたいな物体の正体はスライムだった。前にいた世界のゲームで出てきた通りの姿に俺はびっくりした。
「とりあえず倒して体力をつけるか」
どうやらこの世界ではモンスターを倒すと体力がつくらしい。
俺は自分の拳に火をまとわせて殴ることにした。
「うわっ!」
スライムは自慢の弾力で俺の拳を跳ね返した。なかなかやるな。
「これならどうだ!」
そう言って俺は小刀に火をまとわせてスライムを切った。
すると、
すごくきいた。と思ったら...
「なに!?」
スライムは真っ二つになり二つに分かれた。2対1だと!?卑怯な!って俺の自業自得か。
「くらえ!くらえ!くらえ〜!!」
気がつけばスライムは50体以上になっていた。
スライムはいきなり地面から何かを掘り起こした。なんだこれ?俺はよく見て見たら洗濯のりだった。
「洗濯のり?なぜ!?」
その答えはすぐに分かった。なぜなら...
スライム達は洗濯のりを体にかけ始めた。すると、スライム達はみるみる大きくなった。や、やばい。
「ど、どうすれば...」
「とにかく逃げよう!」
俺が逃げると、スライム達は追いかけてきた。
まずい!目の前に見えてきたのは崖。俺にはもう逃げ場がない。どうすればいいんだ?
スライム達は俺から少し離れたところで追いかけてこなくなりいきなり話し始めた。
「冒険者さん。僕の友達を作ってくれてありがとう。独りで寂しい生活をするのはもうこりごりだったんだよ」
「そう、だったのか、?」
スライムは頷いた。そして、手を前に出して言った。
「冒険者さん。僕と友達にならない?」
と、友達?モンスターと友達になったって街の人にバレたらどうなるんだ!?殺されるのかな?それなら友達にならない方がいい。けれど、友達にならないと俺はこれから殺される。それなら友達になるしかないな。
「わかった。友達になろう」
「やった〜!ありがとう!これをあげる。これは友達の印だ!」
「ありがとう」
スライムがくれたのは古い本だった。
「なんだこれは?」
「これは魔導書だ。この本に書かれている呪文を唱えると魔法を覚えることが出来るんだ。人間の街にある魔法センターでは覚えられない魔法を魔導書で覚えることができるんだ。」
「ちなみにこの魔導書ではどんな魔法を覚えられるんだ?」
「その魔導書からは召喚魔法を覚えられるんだ。そして、困った時はその魔法で僕達を召喚してくれ」
「ありがとう!困った時は召喚させてもらう!」
「了解!そういえばまだ名乗ってなかったな。僕の名前はランドリー・ブルーだこれからよろしくな」
「ああ。俺の名前は佐藤幸大だ。よろしく」
こうして、俺には新しい友達が出来た。(スライムの)そして、新たに召喚魔法を覚えた。
今日はとりあえず家に帰ることにした。明日こそは絶対にモンスターを倒してやる!
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