第3話 私のやり方1
最近何故か、唐突に眠くなる時がある。
前は一応、お腹が一杯で眠くなるとかちょっと寝不足からのうたた寝だったのだが、ここ最近の唐突に眠くなる理由は決まってたもとからの呼び出しだ。
「モモっち、たしかに夕飯食べ終わってゲームしてたよ?でもゲームの保存はしてないから、戻ったらゲームオーバーなんだけど…?」
いきなり呼び出された私はモモっちに文句をいうことを忘れない。
先日もゲームでボスが倒せる!と思った途端、急激に眠くなりここに呼び出されたのだ。戻った時には残りのHP1割ぐらいのボスにボコボコにされて私のキャラはお陀仏になっていた。
「そんなことはどうでもいいにゃ。こっちのことを解決するにゃ!速攻解決するにゃ!」
扱いがひどい。
私はため息をつきながら、何があったのか詳しく聞くことにした。
モモっちの話しでは、こっちに来る予定の子が予定の日になってもたもとにくることがなく、様子をみにいったのだが、鎖みたいのに縛られてここに来れなくなっていたのであると。
まぁ、以前もありましたよ?飼い主の悲しみが強すぎて鎖で、雁字搦め《がんじがらめ》にされていた子が。
その時はこちらの特権を使い、鎖を解き連れてきましたよ?モモっちが。
「また特権使って連れてくればいいじゃん。」
「お馬鹿!特権使って連れてこれるなら、呼び出したりしないでとっくに連れてきてるにゃ!」
怒られた。
大体たもとにくる子は、1週間の猶予がある。
1週間以内にたもとまでこなければ、闇落ちというか、地縛霊とか、たもとで待つ権利を取り上げられるのだ。
それはその子にとっては、よろしくない事だ。
大抵の場合、成仏すると思ったり1週間経つ前に、その後の行き場所に魂が引っ張ってくれるのだが、鎖に縛られた子は自分の意思や時間でも引っ張られることがない。
「まぁ、状態を見てくるしかないか。」
私は住所を確認してタブレットで地図アプリを立ち上げ、入力→おおよその場所確認→出発 まで操作した。
え?空飛んでヒュンといけたり、シュッと空間転移できるんじゃないの?って?
私だってそうしたいさ、空?空…というかかろうじて、三階建てぐらいの高さは飛べる、たもとに連れて来られた後なら。
空間転移?(ヾノ・∀・`)ナイナイそんなの。(あ、思わず顔文字になちゃったよ)
今の移動はバイクだ。可愛いタイプの。
最初は地図を持って歩きだった。
肉体的疲れはなくても精神的疲れは酷かった。
しかも私は方向音痴だ。
モモっちが一度行ってるからわかるでしょ?って?
一緒にきません。あの場所を長く離れることは出来ないと。
そもそも、その為のみぃだと。
方向音痴は仕方ない、これは特殊能力だ。
ってことでモモっちに文句言ったのもあるが、モモっちが「こんなんじゃ仕事にならないにゃ」と上の人?に交渉してタブレットとバイクをもぎ取ってきてくれた。
そんなこんなで、回想終わり。ちなみに霊体?幽体離脱?みたいな感じなので、普通の人には私のことは見えないし触れない。壁はすり抜けられるけど、前に一度やったらモモっちに怒られた、飛行交通の法規とプライバシーは守れと。
何よ、飛行交通の法規って、知らんよ、習ってないよ。
地図アプリが「近くにつきました。案内を終了します。」といった。
周りを見渡す。そうですよねー、現場というか事件は家の中で大抵起きているので、外から見てもわかるはずないよね!
ということでバイクで1件1件表札を見て名前を確認。
やっと見つけた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます