第2話 毎日は忙しい

私は、ここではと呼ばれている。

一応生きているので本名はあるが、ここでは短い名前のほうが好まれる。


そして、助手の。キジトラ猫で私がいない時のアレコレを変わって

やってくれる賢いニャンコだ。

そもそも、私をここに連れてきたのは彼女だ。


彼女との付き合いは私が小学生の頃の話で、まだ小さな彼女が家の近くの瓦礫の中で鳴いていた。

思わず連れて帰った私は彼女に牛乳をあげ、後の世話は姉にまかせ、

人形遊びに使っていた布団一式を彼女に差し出した。姉と色々な名前をいって、モモといった時に彼女が鳴いたので、モモと呼んでいた。

でも、アパートに住んでいた私達は母親に飼うことを許されず

元の所に置いてくるようにいわれ、渋々置いてきたが、

隣人の窓近くに置いてきて飼ってくれたらいいなぁと、期待と密かにお願い?をして、置いてくることになった。


二、三日後、お隣の家から子猫が窓の外で鳴いていたので飼うことにしたと聞いた時にはガッツポーズを密かにしたものだ。

お隣さんとは同じ年頃の子供がいて、よく遊びにいっていたから、

モモと会うことがまた出来た。


まぁ、それからモモがうちの事を覚えていたのか、二階に住んでいた我が家に階段を登って遊びにくるようになったのも、懐かしい思い出だ。


モモが亡くなり何十年も経ってから、また会うことになろうとは…。

しかも、虹のたもとの管理人に推薦したのは彼女だ。


「いや、普通モモっちの飼い主とか、うちの姉を推薦するのはわかるよ?さぞかし、ここの仕事を完璧にこなしてくれるだろう。」 

私はテーブルに肘を置き手に顔をのせ、呆れたように行った。

そして、モモっちも、うんうんと頷いていた。

ちょっとムカっとした。


「いや〜、私もそう考えたんだけどね〜。みんな、結構規則正しい生活してて、寝てる時にしかここにこれないからさ〜、時間が短いし疲れて寝てる中、ここで仕事任せるのも可哀想だし、恩に背くことになるじゃん?」


「で?モモっちは結局何をいいたいのかな?」


「みぃは昔からよく寝てたなぁって思い出して、ちょっと外界覗いたら、やっぱりいつでも好きな時に寝てるのは変わってない!よし、君に決めた!と推薦したんだ〜。あ、昔と変わっていたら、選ばなかったよ。」


と、可愛い顔でテヘペロをした。

少し、ほんのすこ〜しだけどその顔に殺意が湧いたがな私は、

自分の感情をなんとか抑え込んだ。


結局、彼女の思っていた通りに私はいつの間にかここにきていて、

書類をみたり、私がいない間にここに来た子の希望を書いてある紙に目を通したりして起きるまでの時間を過ごすのであった。


そんなここは、虹の橋のといわれる、亡くなった子達がひと時過ごす場所。会いたい人が迎えにきてくれるのを待つひと時の楽園。


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