第4話 悪魔

浦遥、下校途中。

「今日ほんと死ぬかと思ったわ!」

「そうだね~。」

家が近いから、快斗と帰ってるけど、ゆらがいないからいつもよりかは面白くない。

ラグナさんに連れられてたけど……。

「……なにしてんだろ、ゆら。」





あちこちに傷がついてしまった教室にゆらとラグナが椅子に座っていた。

「コーヒーいるか?」

ラグナがコップにコーヒーを注ぎなからゆらに聞く。

「いえ、結構です。」

「なんだよ連れねえなぁ…。」

ラグナが悲しそうにため息を吐く。

「それよりもさっきのことを教えてください。」

「あぁーあれね?」


――――ゆらは預かる。


「あれはそのままの意味だよ。」

かつんかつんと靴を鳴らして、ラグナと同じような白い服を着た、男が教室に入って来ながら言った

。違うのは顔に白いペスト医師のマスクをつけていることだ。

 「お、天使は狩り終わった?」

「あぁ。一応全員送り届けたよ。」

「…!もしかして、」

「うん。僕が一応みんなを送り届けて、周辺の天使を狩ってきたよ」

「そうなんですか。ありがとうございました。」

「いいえ。これも仕事のうちだから。それより

君としては早く本題に入ったほうがいいんじゃない?」

「はい。僕を預かるってどういうことですか?」

質問にラグナが答える。

「あれはタロトの言う通りそのまんまの意味だよ。」

「そのまんま?」

そこにタロトが言った。

「そうだね~。まずは僕達のことを説明しようか。」

「いいのか?タロト。」

「大丈夫だって。ゆらくんはどうする?」

ゆらが少し悩んだあとに言った。

「ぜひ、お願いします。」

ペスト医師のマスクで表情は見えなかったがタロトが嬉しそうに微笑んだみたいだ。

「フフッ、決まりだね。」


――それは約30年前のことだった。

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