第4話 急展開
「さぁ…何とか言ったらどうだ?」
衛兵の問い詰めに、狼狽えていると、突然地面が光り陣が描かれる。
「魔法?一体何を」衛兵が剣を構えなおす
目の前が真っ白になった。
「やぁ。」
声と共に目を開く。
目の前で座っている男……エルフ!?
「なんだ!エルフの…なんの用だ!」
カッチリとした服を着たエルフの男が話を続ける。
「おはよう。そして用は一つだ。
我々の同志にならないか?」
「同志?何の事だ…」
「我々の組織はパンドラと言ってね。反政府軍と言うやつさ。そして君のような現状に不満を持つ若者をこうして勧誘している。以上だ。何か質問は?」
パンドラ?何だよそれは。反政府軍…。
「反政府軍というが、どの国に対してだ。ここはエルフーンだろう?」
「察しが良いな。我々はエルフーンを拠点にしてはいるが、革命を起こす国は違う。お隣のフット王国だ。エルフだって森塗れの国じゃ土地開発が遅れてしまう。ボロボロな王室のフット王国を狙ったという事だ。」
「なせを俺を選んだ?」
「君のことはもちろん調査済みだ。だから選んだ。
エンザート国軍の下っ端なんて不満の温床だからね。チャンスがあればと狙っていんだよ。それに……聖樹もそれを望んでいる」
「大体はわかった。で、あんたの名前は?」
「私はアルツァー。元コア帝国少佐だ。現在はパンドラの指揮をとっている。」
「コア帝国…何でまたそんな恵まれた立場にいるやつがこんな場所で…」
「簡単な話さ。上に立ちたい、シンプルな野望さ。さて、答えを聞こう。入らないならここでサヨナラだ。まぁ……決まっているだろうがね」
「……入ろう。エンザートへの報復を約束するなら」
「なかなか欲深いな。本来は君の働き次第だが、今回は個人的な恨みもある。約束しよう。」
アルツァーが椅子から立ち上がる。
「歓迎しよう同志。導きは聖樹の下に…」
「さっきから聖樹とは何だ。」
「我々の資金源である聖樹教会のキャッチコピーみたいなものさ。大きな金が無ければ大きな戦は出来ないからね」
「今日は外にある小屋に泊まると良い。君と同じ同志と生活すれば、仲良くなるもんだろう?ではまた明日」
何が起きたか分からないが。本能的に今を楽しんでいる気がする。きっと私の名は歴史に刻まれる。そんな期待に。
話の展開の都合で話が短いので、用語の説明をざっくりと書いていきます。
コア帝国
ルッソールという男が、コア王国を革命することで出来た新しい国家。大きな軍事力と徹底した実力主義が特徴である。魔法研究も最先端である。
フット王国
古くから存在する王国。最近は軍事力の増強に意欲的だが、遅れた技術と、最近の不作もあって、ボロボロである。
エンザート連合王国
3つの国をエンザート中心にまとめた連合王国。
島国であり、領土拡大に積極的な政策をとっている。
世界最強の海軍戦力も相まって、他国への影響力が大きい。
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