異世界でマスコットに成りました

@picuseu

第1話 目が覚めると

目を覚ます。そこは見知らぬ森の中。

思い出せる事は、そうだ自分は死んだはず、それともそれは夢だったのか、ではこの場所は。

そう思い、ふと気づく。自分の体の異変に。

・・・動物?

あれこれ身を捩り、なんとか確認できた自分の体は。紛れもない小動物だった。

大きさはカワウソとかあの辺りだろうか、外見については鏡になる物が無いのでよくわからないが、構造的に四足歩行が基本で後ろ脚で立ち上がり、歩く事もできる。

前脚はかなり器用に物を持ったり出来そうだ。

それから尻尾が・・・あれ、自分もしかして狙われてる?

尻尾を見ようと振り返って目が合う、明らかに自分よりも大きい生き物。

こちらが気づいた事に向こうも気づき、一気に襲いかかってきた。

二メートル程の距離を一気に駆け、固まってしまって動けない自分に飛びかかり、何かが飛んできて真横にふっ飛ばす。

訳がわからず飛んで行った相手を見ると、槍だろうか、胸に木の棒が刺さっていた、荒い息で身を起こそうとする犬の様な生き物から、槍を投げた相手に視線を移す。

まだ幼さを残す少年が、仕留めた獲物に歩みながらチラリとこちらを見やり、目の前を通り過ぎ、自らの獲物にとどめを刺した後こちらを見る。

「えっ、へへっ、へっ、へへっ、」キイキイと鳴き声を漏らしながら、こちらも彼を見る。

・・・コレどっち?

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