第2話

気になっていた。

あんな短時間で好きになってしまっていた。

だけど自信なんて最初から存在していない。

相手からしたらただの友達。

本気になればなる程辛いのは俺なのに。


暇潰しに部屋を出て

いつもの公園に向かった。


女の子がベンチで座っていた。


ゆう「らん!?」

らん「ゆうくん!!」

ゆう「何してたんだよ、俺、心配して…」

らん「ごめんなさい。」

ゆう「謝って欲しい訳じゃ…。」

らん「ゆうくんとはもう会えない。」

ゆう「え?」

らん「それを伝えに来たの。」

ゆう「なんで。。?」

らん「私、もうすぐ死ぬの。」


頭の中が真っ白になった。

思わず…


ゆう「今迄の俺とは遊びだったの?」

らん「え?」

ゆう「俺はずっと待ってたんだよ?」

らん「……。」

ゆう「死ぬってなんで言ってくれなかったの?」


戸惑いを隠せなかった。

相手の気持ちを優先出来ずに。

自分の思い通りの言葉を並べてしまった。

それでも君は笑って謝ってきた。


苦しいのは俺じゃないのに。


何でいつも笑って居られるの?

何でいつも俺を怒らないの?


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


母親「らんちゃんじゃないの!?」

らん「お久しぶりです。」


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


それから何日か経って母さんから連絡が来た。

母さんはらんの事を知っていたみたいだった。

話を聞くと俺が産まれた時らんも同じ病院で

ただ、らんの場合生まれつき心臓病だったらしい


俺の5個も上のお姉さんだった。

最初から出会う事なんて分かっていたのかも

しれないけれど、俺にとって初めて出来た友達。


らんが亡くなったって聞かされて。

涙が止まらなかった。


好きな人に好きと想いを伝えていれば

後悔なんてしなかったのに。


らんと過した日々を俺は忘れる事は無かった。

むしろ、らんと話していた時は

嫌な事も全ての感情も楽しく感じていた。

感じていたかった。


あの時なんで俺は自分の感情だけ

押し付けたんだろうと後悔する日々。


らんは凄く優しかった。

優しくて可愛くて俺にとっては

理想の友達だった。

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