【AI怪談 三十九話目〈呪い〉 緋黒】

男は、思い当たる節を聞かれたが、正直には答えられない。


正直に答えると捕まってしまうからだ。


次々と起こる不可解な事故に怪奇現象ともいえる自然災害。


これらは全てその男の周りで起きている。


例えば昨日、男が道を歩いていると、空から毒蛇が降ってきた。


その前日は、男がタクシーに乗り込むと、雨も止んでたのに突如雷が大地を走った。


まるで男が誰かに祟られてるかのようだ。


明らかに呪いであると踏んだ祓魔師は、原因を探り出す。


男が正直に話さない以上、自分で調べなければ解決策がないからだ。


調べだしてから三日目、祓魔師は男の過去に大きな空白を見つける。


それは、二十歳から八年間もの経歴がポッカリ空いているというものだ。


この期間が怪しいと感じた祓魔師は、祈りを行い、男の過去を覗いた。


そこには神も恐れぬ男の残虐な行為が見られた。


とても許されるものでは無い。


だが祓魔師は笑顔で男に過去の行為を懺悔するよう勧めた。


見抜かれた男は、口封じの為に祓魔師を殺そうとするが、祓魔師は全てお見通しで、男の攻撃を軽く躱した。


祓魔師は「お前にかけられた呪いなぞ、私には遠く及ばない。なぜなら、お前が過去にした事なぞ、私がした罪に比べたら赤子の遊びに等しいからだ」と言って、男を諭した。


男はそれを聞いた途端、全身から汗が噴き出し、震えが止まらなかった。


男は懺悔した。


そして警察署に向かった。


後にこの事件を担当した裁判官は、男に懲役二千年を言い渡す事と成る。


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