【AI怪談 三十七話目〈オフサイド〉 里】

捕まったのは一方の兵士。


一番厄介な相手だ。


彼女は頼まれ、この戦場に乗り出した。


現在、他のものは深い森の中を彷徨い、出口を探している。


遠く離れた場所。


ルールではこちらに来ては成らない。


そのラインを越えては成らない。


踏み出せば終わり。


ギリギリの戦いが始まる。


暗い場所で対峙する強者と強者。


一方が勝てば沢山の生が助かり、別の一方が勝てば沢山の何かが生まれる。


生命と非生命。


いや、生命と新たなる生命。


常識なぞ、この戦いに於ては何に成るのだ?


生命と新たなる生命。


今、戦いが始まっている。


どちらが勝っても恐怖。


この戦場を抜けた者は、そのラインを越えた強者は、どちらにしても恐怖でしかない。


遠くで何かの音が鳴る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る